ランタノイド

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全般[編集 | ソースを編集]

  1. ランタノイドとは、ランタンもどき、という意味らしい。
  2. 希土類に含まれる。
  3. ランタノイド収縮、という現象がある。
  4. 遷移元素は有色になるものが多いが、特にランタノイド類は蛍光物質に含まれている。ランタノイドの複雑な化合物は光を当てると別の色に光る。錦川鉄道のあるトンネルに飾ってあるやつなど。

ランタン[編集 | ソースを編集]

  1. 同名の照明器具とは無関係。
  2. 化合物は常に+3価。イオンの色は無色。
  3. 蛍光体やレーザー、電子ビームの陰性材料等に使われる。

セリウム[編集 | ソースを編集]

  1. 希土類元素の中では地殻に最も多く存在する。
  2. 酸化物はガラスの研磨剤として、硫化物は耐熱るつぼの材料として使われている。
  3. 無害な黄色無機顔料として使われているプラセオジム黄やビスマスバナジウム黄の着色力が小さいため、毒性がなくかつ着色力が大きい黄色無機顔料としてセリウムを含む複合酸化物からなる顔料が研究・開発されている。
    • セリウムを含む黄色無機顔料にはセリウム・珪素・ビスマス・アルミニウムの複合酸化物やセリウム・珪素・ビスマスの複合酸化物、セリウム・ジルコニウム・ビスマスの複合酸化物等がある。
  4. イオンの色は+3価が無色、+4価が橙赤色。

プラセオジム[編集 | ソースを編集]

  1. 希土類元素の1つ。いわゆるレアアース。
  2. 従来はレアアースの中でも工業用途が比較的少なかったが、最近は黄色の無機顔料の原料として使用されている。
    • ジルコンに4価のプラセオジムイオンが固溶したプラセオジムイエローは毒性がなく鮮やかな色彩を呈する優環境型の黄色無機顔料として黄色の釉薬や絵の具の製造によく使われている。
    • プラセオジムイエローが登場する前から存在した鮮やかな色彩を呈する黄色無機顔料としてはカドミウムイエローや黄鉛があるが、前者はカドミウムを含むため、後者は鉛と6価クロムを含むため毒性が強いため最近では無害な黄色顔料に代替されている。
      • プラセオジムイエローはビスマスバナジウムイエロー(こちらはビスマスのバナジン酸塩。プラセオジムイエロー同様無害な黄色無機顔料)とともにカドミウムイエローの代替顔料として使用されている。一方黄鉛は早い時代から黄色有機顔料に代替されている。
  3. 黄色顔料以外では磁石や溶接作業用ゴーグル、光ファイバーの製造等にも使われている。
  4. イオンの色は+3価が緑色、+4価が黄色。

ネオジム[編集 | ソースを編集]

  1. 超強力な永久磁石、ネオジム磁石の主成分。
    • 強力すぎるのでうっかり指をはさまないように。マジで怪我します。
    • 一般層が使う機会があるとすれば、おそらくプラモデルの改造で使うが一番多いと思う。
  2. ネオジム磁石以外では固体レーザーにも使用される。
  3. 化合物は普通+3価。セリウムやプラセオジムで見られた+4価の化合物は殆どない。+3価のイオンは薄紫色。
  4. 間違いやすいが「ネオジウム」ではない。↑のプラセオジムも「プラセオジウム」ではない。
    • 英語ではそれぞれ、「ネオジミウム」「プラセオジミウム」になる。

プロメチウム[編集 | ソースを編集]

  1. ランタノイドの中では唯一、人工放射性元素。
  2. 放射線を発生するため、ぼ~っと蛍光を発する。
    • これを利用して、かつては夜光時計の文字盤に利用されていた。
    • 文字盤に筆で塗る工程で、プロメチウムの付いた筆を舐めながら作業していたため放射線障害が起きて使用禁止に。
  3. 名前の由来は、人間に火を与えたギリシャ神話の神「プロメテウス」から。
    • 某新聞の連載「プロメテウスの罠」の由来はここから?
  4. 化合物は常に+3価。イオンの色は桃色。

サマリウム[編集 | ソースを編集]

  1. 元素記号が18禁。
  2. レアアースで黄色といえば黄色顔料の原料になるセリウムやプラセオジムのイメージが強いが、+3価のイオンが黄色なのはサマリウム。
    • +2価のイオンは赤色。但し+2価のイオンは比較的不安定。
  3. ネオジム磁石が開発されるまでは、サマリウムとコバルトの合金を主成分とするサマリウム磁石が超強力な永久磁石として使用された。
    • 但しネオジム磁石は鉄を含むため(主成分はネオジムと鉄とホウ素の合金)錆びやすいことからサマリウム磁石も錆びにくい強力な磁石として使用されている。
      • また、キュリー温度が高く高温でも磁力が消失しないため、温度特性が重視される環境ではまだまだ現役である。
    • サマリウム磁石より、サマリウムコバルト磁石略してサマコバ磁石のほうが呼び名としては一般的かも。

ユウロピウム[編集 | ソースを編集]

  1. 初期にはサマリウムと区別できなかったらしい。
  2. ユーロピウムではなくユロピウムである。
  3. 周期表でアメリシウムを踏みつけているのが欧州人の自慢。
  4. 希土カラー。

ガドリニウム[編集 | ソースを編集]

  1. 元素名、元素記号ともカドミウムと類似。混同しやすいが、カドミウムよりはるかにレアなレアアース。
    • アボカドを「アボガド」と間違えている人が多いのを連想させる。
  2. 鉱物学者・ガドリンにちなんで命名。人名由来の元素のハシリである。
  3. MRI 検査用の造影剤、原子炉の制御材料などに使われるが、あまり工業用の用途はない。
  4. 化合物は普通+3価。+2価の化合物もあるが不安定。+3価のイオンの色は無色。

テルビウム[編集 | ソースを編集]

  1. これも、スウェーデンのイッテルビー村に由来する名前の元素の一つ。
  2. X線フィルムの増感剤に重要。

ジスプロシウム[編集 | ソースを編集]

  1. サマリウム同様、+3価のイオンは黄色。
  2. 光磁気ディスクや放射性遮蔽材の原料として使われる。

ホルミウム[編集 | ソースを編集]

  1. サマリウムやジスプロシウム同様、+3価のイオンは黄色。
    • 但しサマリウムやジスプロシウムと異なり「黄色」とはいってもホルミウムのイオンの色は淡黄色。
  2. ホルマリンとは無関係。
  3. これの酸化物を添加したガラスが分光光度計の波長校正に用いられる。

エルビウム[編集 | ソースを編集]

  1. かつて存在した乳酸菌飲料「エルビー」とは関係ない。
  2. 化合物は常に+3価。イオンの色は桃色。

ツリウム[編集 | ソースを編集]

  1. 化合物は+2価もあるが普通+3価。+3価のイオンの色は淡緑色。
  2. 希土類の中ではルテチウムに次いで高価であり、ルテチウム同様金や白金よりも高価なため、工業的にはレーザーや蛍光体に使用される程度である。

イッテルビウム[編集 | ソースを編集]

  1. 高温超電導ブームのとき注文が急増したが、この元素自体は高温超電導とは関係ない。イットリウムと間違えての注文であった。
  2. それほど当時は、そんなミスをするような門外漢企業までもが、商機かもと思ってブームに乗ろうとしたわけだ。
  3. 化合物は普通+3価。+2価の化合物もあるが不安定。イオンの色は+2価が橙赤色、+3価が無色。
  4. 逝ってるビウム

ルテチウム[編集 | ソースを編集]

  1. 化合物は常に+3価。イオンの色は無色。
  2. 希土類の中では価格が最も高く、金や白金等の貴金属よりも高価なため、工業的には殆ど使用されていない。


1 元   素   周   期   表 18
H 2                     13 14 15 16 17 He
Li Be                     B C N O F Ne
Na Mg 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 Al Si P S Cl Ar
K Ca Sc Ti V Cr Mn Fe Co Ni Cu Zn Ga Ge As Se Br Kr
Rb Sr Y Zr Nb Mo Tc Ru Rh Pd Ag Cd In Sn Sb Te I Xe
Cs Ba *1 Hf Ta W Re Os Ir Pt Au Hg Tl Pb Bi Po At Rn
Fr Ra *2 Rf Db Sg Bh Hs Mt Ds Rg Cn Nh Fl Mc Lv Ts Og
 
*1 ランタノイド La Ce Pr Nd Pm Sm Eu Gd Tb Dy Ho Er Tm Yb Lu
*2 アクチノイド Ac Th Pa U Np Pu Am Cm Bk Cf Es Fm Md No Lr