物質

2021年11月2日 (火) 18:22時点におけるイタリア君 (トーク | 投稿記録)による版 (→‎塩)
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元素単体

化合物

有機化合物

  1. 一般的には炭素を含むものという認識だが、炭素を含んでもそれにならないものも多くある。
    • 炭素単体、一酸化炭素、二酸化炭素、炭酸塩、シアン化水素、シアン化塩がそれにあたる。
  2. 燃やすと二酸化炭素が出る。その時のエネルギーがあまりにも大きいので、「燃えるもの」とされている。
    • ただし、あまり火力が強くないとすす(炭素)だけ残ることも。
  3. 一般的に非金属と金属の化合物はイオン性化合物となる。有機化合物も同様のものも多いが、共有結合性化合物も多くある。
    • 有機金属と錯体が挙げられる。前者は水と激しく反応する。
  4. 有機栽培の農産物がもてはやされているが、有機化合物だから健康にいいというわけではない。

炭化水素類

  1. どんな結合を持つかで名前が変わる。
    • メタン、エタン、プロパン、ブタン…など二重結合のないアルカン
    • エチレン、プロピレン、ブテン…など二重結合を持つアルケン
    • アセチレン、ブチン、ペンチン…など三重結合を持つアルキン
  2. これらを燃やす(酸素と反応させる)と二酸化炭素と水が生成する。
    • このとき発生する熱があまりに大きいものだから燃料として使われる場合が多い。
  3. 炭素数が増えるほど重いため蒸発しにくくなり、結果沸点や融点が下がる。
    • 枝分かれがあると分子が整列しにくくなるので、さらにこれらが下がる。
  4. エタノールとジメチルエーテルのように同じ化学式でもつなぎ方が違うと全く違う物質になる。
関連項目

化石燃料

メタン

  1. 炭化水素の中で一番軽いもの。(同じモル数で比較すると)燃やしたときの二酸化炭素も一番少ない。
  2. 気体で燃料としても活用されている。
  3. 微生物により有機物が分解されるとこれができる。池の底のヘドロなどにたまっており、傘などで突っつけば泡になって出てくることも。
    • メタンは無臭とされており、火をつけでもしない限り気付かないかもしれない。
      • 都市ガスには玉ねぎだかの香料が混ぜられている。
  4. 最近は海底にこれが凍ったものとしてメタンハイドレートが注目されている。
  5. 液化天然ガス、都市ガスの主成分。
  6. 正四面体構造をしていて美しい。

エチレン

  1. このガスを噴射すると植物の成熟が早まる。

ブタン

  1. 炭素を4つ含むアルカン。常温で気体のアルカンでは最も分子量が大きい。
    • イソブタンというものもある。
    • ブタンからは臭うようになる。
  2. 沸点が約0℃と常温に近いせいか少しの加圧で容易に液化するので、「液化しやすいガス」の代表と言える。
    • 沸点が高いので、寒冷地では「液化しやすいガス」ではなく揮発油になってしまう。そのため寒冷地仕様ではプロパンなどを混ぜる。

オクタン

  1. 揮発しやすい液体でガソリンの主成分。
    • レギュラーよりハイオクのほうが含有量が多い。

エステル

  1. アルコールとカルボン酸がくっついたもの。
    • (結合の種類が違いので正確には違うが)カルボン酸のアルコール塩のような構造をしている。実際カルボン酸塩とハロゲン化アルキルを反応させるとこれができる。
  2. 有名な合成法はアルコールとカルボン酸を混ぜて硫酸で脱水するものだが、上記のようにカルボン酸塩を用いるものやカルボン酸塩化物・酸無水物などを用いるものもある。
  3. いい匂いのするものが多い。もととなるカルボン酸が変なにおいでも、それが嘘だったかのようになる。
  4. いわゆる脂肪は炭素数の多いカルボン酸とグリセリンのエステルである。
  5. 逆に酸性水溶液で処理すればアルコールとカルボン酸に戻る。水酸化ナトリウムと反応させるとよく反応して分解する。これを「けん化」といい、せっけんを作る反応である。

酢酸エチル

  1. おそらく一番メジャーなエステル。
  2. 有機溶媒として、色々な有機化合物を溶かすのに用いられる。
    • 水溶するものとしないものに分けて分離操作をするとき、水と一緒に使うことも多い。
  3. アルコール由来のエチル基にある1つの水素を臭素にしたブロモ酢酸エチルはWittig反応の原料として用いられるが、催涙性がある。

アミド

  1. こちらはカルボン酸とアミンがくっついたもの。
  2. 同じくカルボン酸とアミンを硫酸で脱水するものやカルボン酸塩化物、酸無水物を使って合成する方法もある。
  3. アミド結合は生体分子のときのみ「ペプチド結合」と呼ぶ。

アルコール

  1. 炭化水素の水素がヒドロキシ基(-OH)に置き換わったもの。
    • も-OHが付いているが、アルコールには分類しない。
      • アルキル基(炭化水素の部分)がないので…
    • アルキル基とヒドロキシ基を両方含むので、水にも油にも溶ける素質がある。
      • 炭素数が増えるとアルキル基の比率が増えてくるので水に溶けなくなる。ろうそくの蝋やワックスは水に溶けないアルコールだ。
      • 炭素数が増えるほど親油性が強まり、親水性が弱まる。
  2. 日常生活ではアルコールというと主にエタノール、特に酒類のことをさす。
  3. ヒドロキシ基が1つのものがメジャーだが、それ以上あるものも多く存在する。
  4. 酸化するといろいろなものに変化する。
    • 1級アルコールはアルデヒドを経てカルボン酸に、2級アルコールはケトン(過酸や過マンガン酸カリウムなどでエステルにもなる)に、3級アルコールは酸化してしまうと炭素骨格がバラバラになる。
  5. ナトリウムやその水素化塩で水素を解離してアルコキシドになる。
    • 水酸化ナトリウムでも解離できないことはないが、解離しやすさは水とほぼ同じなので、効率が悪い。
  6. 解離しやすさが水とほぼ同じなので、水に溶かしておけばヒドロキシ基の水素が激しくつけ変わる。これを利用して重水中に入れておけば重水素化されたアルコールとなる。1H-NMRでは重水素を検知しないためこれによって信号が消失するが、これがヒドロキシ基の見分け方になっている。
    • ただし、フッ素をつけるなどするといわゆる酸と同じ解離のしやすさを持つようになる。
  7. 反応してエーテルやエステルなどになる。
  8. 下記の糖もアルコールの1種である。
  9. ヒドロキシ基を多く持つポリオールと金属微粒子を混ぜておくと酸化抑止の効果を持つ。これを用いて安定でない化合物の微粒子を合成できる(ポリオール法)。
  10. アラビア語由来の外来語。
  11. 英語のalcoholはhを発音する。

メタノール

  1. 一番小さいアルコール。
  2. 体には危険で、これを飲むと視神経がやられ失明する。大量に飲むと死ぬ。
    • 昔、エタノールの中にこれが混ざっており、酒を飲んで失明する人が多かったんだとか。
    • 酸化した後の物質がヤバいので消毒用として使うのも絶対にやめるべき。
      • 「消毒用アルコール」にはメタノールは入っていないはずだが、燃料用アルコールはメタノール入りの可能性がある。
    • 誤飲した場合の対症療法として、あのエタノールを多量に摂取することが推奨されている。
    • 目散るアルコールと覚えよう。
  3. 1級アルコールを最後まで酸化してできるカルボン酸に対応するものがギ酸である。ギ酸はアルデヒドでもあるのでさらに酸化して炭酸になる。しかし炭酸は不安定なので二酸化炭素と水に分解する。

エタノール

  1. アルコールと聞いて一番連想しやすいもの。
  2. 消毒液としても有用で、新型コロナウィルス関連で話題となった。
    • 酒類提供業者が極限まで濃縮したアルコールを消毒用として販売していた。
    • イスラム的には消毒でアルコールを使うのはおkなのかな?
  3. アルコキシド塩もメジャーで、アルドール反応などによく使われる。
  4. 蒸発する石鹸だ。水にも油にも良くなじむし。
  5. 日本だと混ぜ物をしないと酒税がかかる。
  6. 飲用されるが、決して無害ではない。

エチレングリコール

  1. ヒドロキシ基を2つもつアルコール。
  2. 車の不凍液に使われている。

グリセリン

  1. ヒドロキシ基を3つもつアルコール。
  2. 炭素数の多いカルボン酸とエステルを作ったものがいわゆる脂肪である。
  3. 硝酸を用い硝酸エステルを作ってできるのが、あのニトログリセリンである。
    • 爆薬が有名だが、服用すると分解してできる一酸化窒素が血管を広げるため、狭心症にも効果がある。

アルデヒド

  1. 一酸化炭素の片方に水素が付いた官能基(アルデヒド基)を持つ有機化合物。
    • 実際、一酸化炭素からアルデヒドを合成する工業的製法が確立している。
  2. 1級アルコールの酸化で得られるが、これを得られる酸化剤(デス・マーティン・ペルヨージナンや二クロム酸カリウムなど)とそうでないもの(過マンガン酸カリウムなど)がある。
    • ここで止められない酸化剤を用いるとカルボン酸を生成する。
  3. 還元性が強く、別のものを還元する代わり、自身はカルボン酸になる。
  4. 1級アミンと反応させると窒素・炭素二重結合を持つイミンまたは窒素となりの炭素に炭素・炭素二重結合を持つエナミンができる。
  5. 銀鏡反応やフェーリング反応を起こし溶液の色を変える。これも自身が酸化し試薬を還元したのが原因である。

ホルムアルデヒド

  1. アルデヒドの最小単位。
  2. いわゆる「ホルマリン」はこの水溶液である。
  3. メタノールを摂取すると失明するが、それはこれが原因である。
    • ギ酸のほうがヤバいらしい。
  4. アルデヒド基以外に炭素がないのでエナミンを生成する反応が起こらない。アミンが結合しただけのアルコール止まりになる(それに水素イオンが結合したものと平衡にはなるが)。
  5. 蟻のアルデヒドという意味。カタカナにしたので分かりにくくなってる。

アセトアルデヒド

  1. エタノールが酸化されると出る…つまり酒を飲むと出る。
    • 酒を飲んだ直後自分から酸っぱい匂いがしたら、それがアセトアルデヒドである。
  2. アセチル基を持つため、ヨードホルム反応を起こす。
  3. これが残ると二日酔いになる。

ケトン

  1. アルデヒドは一酸化炭素の片方が水素だったが、こちらは両方に炭素鎖を持つ。
  2. おおむねアルデヒドと同じ生成法や反応をする。
    • ただし、アルコールから酸化して作る方法はアルデヒドよりずっと容易である。ケトンをさらに酸化する酸化剤はほとんどない。
  3. これ以上酸化するには過酸や過マンガン酸カリウムが必要で、それを用いるとエステルになる。

アセトン

  1. ケトンの最小単位。
  2. 水にはよく溶けるのだが、逆にこちらが多くあると水を吸収する。
    • (日本では)実験器具を洗ってくれる担当の人はいないので実験したら自分でお片付けをする必要がある。そんなとき一般的なガラス器具(容量の精密測定を目的としないもの)は洗剤とブラシで磨いた後水洗いしたのちドライヤーで乾かすのだが、これだと時間がかかってしかたない。しかし水洗いした後これで洗えば乾いた状態になる。廃液が多くなるが気にしない。
    • 手にかかると水分が失われるので注意。
    • このとき熱も吸収する(アセトンと水の蒸発熱)。かなり冷たくなる。10℃くらいまで下げられる。
  3. 炭素・酸素二重結合をもつ「ケト体」が一般的だが、ほんのわずかに炭素・酸素単結合とその隣に炭素・炭素二重結合をもつ「エノール体」が存在する。エノール体はフェノールのような高度に安定化した分子でなければ存在しない(フェノールはケト体では不安定ではないもののエノール体が極めて安定なためほとんどない)。また、強塩基でエノール体の酸素に負電荷をもつイオン(エノラートイオン)を形成できる。
    • エノラートイオンも酸素と反応する例はほとんどなく、二重結合を持つ炭素と反応する(アルドール反応など)。

カルボン酸

  1. 一般的に有機化合物は中性(というか水に溶けない)だが、こちらは水にわずかに溶けて酸性を示す。
    • もちろん、塩基性物質と中和反応も起こす。
  2. カルボキシル基以外についているもので酸性度は上下するが、一般的にはフェノールや炭酸より強い酸である。
    • 従って炭酸塩を入れておけば二酸化炭素を生じて塩となり水溶する。また、フェノキシド塩に高圧二酸化炭素と触れされるとカルボン酸とフェノキシド塩の部分が同一分子上に現れるが、この理由により水素と金属イオンを交換する。
  3. 脂肪酸ともいう。

ギ酸

  1. カルボン酸の最小単位。
  2. カルボン酸でもあるがアルデヒドでもあるので、還元性をもつ。
  3. 文字通りの毒に含まれている。

酢酸

  1. 2番目に小さい酸。酢の主成分。

アミン

  1. アンモニアの一部水素を炭素鎖にしたもの。アルコールと同様炭素鎖の個数で1-3級に分けられる。
    • 4級もあるが、これはアンモニウムイオンとなり、塩を形成する。
  2. 窒素原子の不対電子により塩基性を示す。

有機金属

  1. 有機化学で生態系有機分子と並んでホットなテーマ。
  2. 最近はノーベル化学賞にもなった鈴木・宮浦カップリングに続いてパラジウムを使うものが人気。
  3. 金属と化合する有機分子の部分からしてイオン性になりそうだが、共有結合性のものも多くある。
    • 有機合成に使うのはこの共有結合性化合物のみ。
  4. 結合様式はどうであれ、水と激しく反応して有機分子と金属水酸化物が得られる。
  5. うち、アルキルリチウムとアルキルアルミニウムは危険物第3類(禁水性・自然発火性)となっている。
  6. 一般的にはその有機金属を他の有機物と反応させて炭素鎖同士をつなげるのが目的である。しかし合成中にできた有機金属と原料が反応して意図しないものができてしまうこともある。
    • 目的物が酸や塩基であるなら簡単な試薬で分離できるが、それ以外だと蒸留したり色々必要になってくる。
  7. ポルフィリンやクロロフィルなど、錯体とされるものは比較的安定である。
    • 一般的な有機金属は金属と有機分子の部分が1対1に結合しているが、この化合物は金属が有機分子に囲まれ多くの結合を作っている。

アルキルリチウム

  1. ハロゲン化炭化水素と金属リチウムを反応させるとできる。
  2. メジャーなのはブチルリチウム。

グリニャール試薬

  1. 上記・アルキルリチウムとマグネシウム塩を反応させたり、ハロゲン化アルキルを金属マグネシウムと反応させるとできる液体。
    • 後者の方法が一般的だが反応させづらい。ただ試薬を混ぜるだけでは不十分で、加熱を要する。しかし一度反応が始まればあとはスムーズに進む。
  2. やはり水とは激しく反応する、つまり水を吸収して使い物にならなくなるので、合成から反応まで水が入らないよう配慮する必要がある。
    • 具体的には吸湿剤の塩化カルシウムを詰めたガラス管を接続したり溶媒の水分を極限まで減らしたりする(ナトリウムで吸水や蒸留したり保管に気をつけたりする)。
  3. 溶媒としてはエーテルが一般的。
  4. 各種カルボニル化合物と反応して炭素鎖を形成し、アルコールになる(ケトン・アルデヒド以外は中間体としてそれらができるがそこで止まらず2つ炭素鎖が結合する)。
  5. 二酸化炭素と反応させるとカルボン酸塩になる。
    • この試薬に二酸化炭素を吹き込んでもよいが、一般的にはドライアイスにこの試薬を加える。
  6. ニトリルと反応させるとアミンにもなる。

生体分子

糖類

  1. ヒドロキシ基の向きが異なる(光学異性体)だけで分子式やその基本単位は同じ。6つ炭素があるタイプのものはこんな感じ。
    • 1つだけのときを単糖類といい、分子式はC6H12O6
      • グルコース(ブドウ糖)、フルクトース(果糖)、ガラクトース(?)が有名。
    • 2つのときを二糖類といい、分子式はC12H22O11
      • マルトース(麦芽糖)、スクロース(ショ糖)、ラクトース(乳糖)が有名。
    • これ以上くっついた状態ものを多糖類といい、分子式はC6nH12nO6n
      • デンプン(アミロース、アミロペクチン)やセルロース(細胞壁の主成分)が有名か?
  2. DNAを構成するものなんかは炭素が5つだけのものもある。
  3. 比較的簡単に輪を作ったり壊したりできる。
    • 端のアルデヒド基による。これを酸化還元すると輪を作れなくなる。酸化還元も簡単にでき、酸化は臭素でできる。
  4. オクラやなめこのネバネバは多糖類によるもの。
  5. アルデヒド基を持つので還元性があり、たくさん存在すると有害。
  6. ≒炭水化物
  7. 代用品がいっぱいある。

アミノ酸

  1. 定義だとアミノ基を持つカルボン酸であるが、主なものは生体内の20種である。
  2. グリシンを除きアミノ基とカルボキシル基を結合する炭素は不斉炭素原子になっており、キラルである。
    • 生体内にあるのはS(L)体である。
    • 一部のアミノ酸はさらにもう1つ不斉炭素原子を持つ。
  3. 当然アミドにもなり(ペプチドという)、それが高分子になることもある。
  4. 体内で作れるものとそうでないものがある。後者は食品など外部からの摂取が必要ということで「必須アミノ酸」と呼ぶ。
  5. アミノ基が付いてるので、窒素を含んでいる。
グルタミン酸
  1. 「うま味」というと「おいしさ」のようで、色々なものが当てはまりそうだが、味覚上の定義ではこの物質のことをさすらしい。
    • 昆布のうま味のもと(グルタミン酸ナトリウム)が由来。これを発見し調味料にまでしたのが、かの「味の素」である。
  2. 納豆のネバネバはこの重合体による。
メチオニン
  1. 側鎖に硫黄を持つアミノ酸は2つあるが、その1つである。
  2. DNAを翻訳するとアミノ酸の列になるが、必ずこれから始まる(というかこれを形成するRNA配列がスタートの合図として認識される)。
システイン
  1. こちらも硫黄を持つアミノ酸だが、チオール基(-SH)を持つ。
  2. チオール基の酸化によってジスルフィド結合ができ、それがタンパク質の構造に影響することも。

脂質

  1. ≒脂肪
  2. 融点の違いで脂(ファット)と油(オイル)に呼び分けられる。
    • したがって、菜種油やオリーブ油も油質ではなくて脂質だ。
      • 総称して油脂ともいう。
  3. グラムあたりのカロリーが炭水化物やタンパク質より多い。

ヌクレオチド

  1. DNAなどの構成要素。
  2. リンを含んでいる。
  3. アデニン、グアニン、チミン、シトシン…
ATP
  1. 我々がモノを食べたり呼吸しているのは究極を言えばATPを得るためである。
  2. アデノシンというものにリン酸が3つくっついている。
DNA
  1. ≒染色体
  2. 二重らせん構造をしている。
    • そのためRNAより安定性が高い(変異しにくい)。
  3. これの中に生物(や一部のウイルス)の遺伝情報が入っている。DNAに記載された遺伝情報に従って成老病死するので生物にとっての設計図といえる。
    • DNA型のウイルス(天然痘ウイルスや麻疹ウイルスなど)は変異しにくいので、予防接種の効果が高い。
RNA
  1. DNAに比べてマイナーな存在。
  2. mRNA、tRNA、rRNAなどがある。
    • mRNAがコロナワクチンで脚光を浴びた。
  3. ウイルスの一部はこれを遺伝子としている。
    • RNA型のウイルス(インフルエンザウイルスやコロナウイルス、HIVなど)は変異しやすいものが多い。

高分子化合物

※生物系は生体分子の欄に記載しています。

  1. 分子などがが多数くっついて1つの巨大な分子を形作っているもの。ダイヤモンドのような単元素の結晶や二酸化ケイ素(ガラス)のような共有結合結晶も高分子と言えるが、大半の高分子は有機化合物が重合したもの。
  2. ≒プラスチック

ポリエチレン

  1. ポリ袋の主成分。
  2. PEと表示されている。

ポリエステル

  1. 洋服の繊維としておなじみ。

ポリ塩化ビニル

  1. 「ビニール」といってイメージするものは基本この素材から出来ている。ビニール袋やビニール傘、ビニールハウスなど。
    • 最近はビニールと名前がついていてもこいつを使わないことが多いとか、理由は下記。
    • 「ビニール」が俗用されすぎているので「塩ビ」という略称も定着している。
  2. 学生諸君の必需品であるプラスチック製消しゴムの主成分である。
  3. こいつを燃やすとダイオキシンが発生する。
    • そのため自治体によっては(プラスチックごみという名の)燃えないごみになってるとか。
      • 消しカスは厳密に言えば不燃ごみ?
  4. 塩化ビニル(クロロエチレン)の重合体。

無機化合物

  1. 有機化合物に比べて種類が少なく、高分子はほぼ見られない。
  2. はもっとも単純な無機化合物の一つ。
  3. 炭素を含まないものが多いが二酸化炭素一酸化炭素、シアン化水素なども無機化合物になる。

アンモニア

  1. アミノ酸を肝臓で代謝すると発生する老廃物。
    • 生物にとって有害な物質なので、水中の動物は速やかに排出し、陸の動物は尿素や尿酸に変えて一定期間貯蔵してから排出する。
      • なので、健康な人の尿にはアンモニアは含まれないはず。
  2. 水に極めて溶けやすい性質をもつ。水に溶けると水中の水素イオンを奪い、水中の水素イオンと水酸化物イオンのバランスが傾くのでアルカリ性の水溶液になる。
    • アンモニア自身は1価の陽イオンのアンモニウムイオンになる。
  3. 中学の赤紫色の噴水の実験でおなじみ。
  4. 20世紀初頭に空気中に無尽蔵にある窒素からアンモニアを合成する画期的な方法が発見された。ハーバー・ボッシュ法と言われている。
  5. ある意味、に似ているので、代わりの生化学で溶媒候補として名前がよくあがるとか。

過酸化水素

  1. 過酸化水素水はオキシドールの名で良く知られている。怪我したときの消毒剤や、酸素系漂白剤として使われている。
  2. 化学式はH2O2

次亜塩素酸

  1. 水溶液の次亜塩素酸水は塩素消毒の定番。
    • アルコールが禁忌となっているイスラム圏で特に活躍している。
      • アルコールの命名者なのに…
  2. 単に「次亜塩素酸」と言われた場合は下の次亜塩素酸ナトリウムのことを指している場合がある。

次亜塩素酸ナトリウム

  1. 水溶液は塩素消毒の定番。
  2. 常温では白色の固体である。プールの消毒で使われる巨大な錠剤のようなものの正体はこれ。
    • なのでプールっぽい臭いを放つ。
  3. 塩素系漂白剤としても多用される。

炭酸水素ナトリウム

  1. 炭素を含む無機化合物の1つ。
  2. 別名が重炭酸ソーダ、「重曹」の名で良く知られている。
  3. 弱アルカリ性なのでにがい。
  4. 加熱すると炭酸ナトリウムと二酸化炭素と水に分解する実験で有名。
    • 炭酸ナトリウムは重曹より強いアルカリだ。

フッ化水素

  1. ガラスをも溶かすヤバいやつ。
  2. 日本は高純度のフッ化水素の輸出国。
  3. 水溶液はフッ化水素酸(フッ酸)と呼ばれる。
    • 酸性度は塩酸より低い、弱酸性の水溶液だが、酸化力はレベチ。
  4. フッ素と水素が水素結合しているため、塩化水素より融点や沸点が高い。
  5. フッ化水素の沸点は約20℃と常温付近である。それ以下の温度では揮発性の高い液体としてふるまう。
  6. 刺激臭がするらしいが、嗅いだ人大丈夫か?

硫化水素

  1. 温泉地で硫黄関係の温泉では、近くに来た段階でもう臭いがする。
    • 硫黄泉で頭を洗うと、髪の毛がバリバリになるので要注意。
  2. 腐乱した卵。
    • というか硫化水素の臭い自体が「腐卵臭」。
      • 硫黄が腐った卵の臭いがするのではなく、腐った卵から硫黄の臭いがするのだと認識している。腐った卵の臭いなんて嗅いだことない。
        • なんか「鶏と卵」みたいな話になってきたな。
      • 厳密には臭いがするのは硫黄ではなく硫化物。
      • 腐卵臭という臭いを発する気体であるが、一般の人は腐った卵を見る機会がないのでいまいちよくわからない。
        • ゆで卵独特の臭いも実は硫化水素だとか、このガスが多い卵は卵黄の表面が黒ずむことが多い。
  3. 異様に臭い屁の成分らしい。
    • 硫化水素による。ジーパンで屁をこきまくると脱色するだろうか…。
  4. 臭いを嗅ぎ過ぎると皮膚が緑色になるらしい。
    • おそら硫黄単体でなく硫化水素。肌の色は血液の色を反映しており、その中の鉄が還元されたためと思われる。
    • いわゆる「グリーン姉さん」の原因と思われる。
    • 空気中1000 ppm(0.1%)あたりが致死量らしく、箱根町の看板には「1000 ppm-1500 ppm 症状:死亡します 対処:あきらめてください」とあった。
  5. に似ているようでそんなに似てなかったりもする。
  6. 一部の細菌はこれを光合成あるいは化学合成の原料として使い、単体の硫黄が生成する。
    • それ以外の多くの生物にとっては有毒なガス。

六フッ化ウラン

  1. ウラン濃縮の過程でウランをこの物質に変える。
  2. ウランは質量数の違いで燃えるウランことウラン235と、燃えないウランことウラン238という同位体がある。原子1つあたりの質量がわずかに違うので遠心分離機で分離できる。
  3. 遠心分離するためには気体にする必要があるが、金属ウランは数千℃の高温でないと気化せず、高温のウランガスをブンブン振り回すのもアブナイ。
  4. 六フッ化ウランの利点はウランを分子中に1つ含むこと、70℃もあれば気化すること、フッ素は安定同位体が1つしかないので分子量の差がほぼウランの性質の違いとみなせること、などがありウラン濃縮に欠かせない役目を果たしている。

曖昧さ回避: この項目では、中和化合物全般について記述しています。「食塩」「塩化ナトリウム」と呼ばれる物質については「食塩」をご覧ください。

  1. 「しお」ではなく「えん」と読む。
    • 英語でもsaltと言う。
    • 「しお」は食塩のことを指すと思われるが、食塩も塩(えん)である。
    • つまり 「えん」⊃「しお」 だ。
  2. 酸由来の陰イオンと塩基由来の陽イオンがイオン結合した化合物の名称。
    • ちなみに酸(H+)と塩基(OH-)は中和して(H2O)となるらしい。
    • イオン結晶なので水に溶かしたり、融解して液化すると電離して電気を通すようになる。
  3. 水溶性のものから不溶性のものまで様々。
    • 不溶性の塩で有名なのは硫酸バリウム(胃の造影剤として飲まされるあれ)。