金属

2021年3月2日 (火) 00:21時点におけるとみん (トーク | 投稿記録)による版 (→‎イットリウム: 高エネルギーの話と勘違いしていたので削除しました)
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  • 新規節を立てる場合には元素番号順になるようにお願いします。
    • 一番下の周期表で背景が水色になっている元素は半金属へ。

各族別

金属全般

  1. 光をよく反射する・電気をよく通す・熱をよく通す。
    • ちなみに、電気伝導度と熱伝導度には比例関係がある。比例定数はさらに温度に比例する。
  2. 典型金属・遷移金属に2分される。
  3. 電子を離したがる。だから1.のような性質が出たり、非金属元素とイオン化合物を作るものもある。
    • ただし、離したがりやすさは金属によって大幅に異なる。
  4. 一緒に融かして混ぜ、固めると「合金」になる。ただし、「仲の良い金属の組」とそうでないものがあり、仲が悪いもの同士を混ぜると固まるときに分かれて終わり。
    • うまく混ざると、元の金属と性質が大幅に異なるものができる。例えば鉛とスズはどちらも230℃以上だが、その合金のはんだは180℃程度になる。さらにビスマスを混ぜると、融点が100℃を下回る。
  5. 周期表の下の方に人工元素が並んでいるが、ほとんどが金属元素で、おまけに放射性。
    • 放射性なのは、人が作らないとできないから。放射性でない=安定なら初めから自然界に存在する。
    • 人工元素に金属が多い理由は検索しても見つからなかったが、おそらく人工元素→電子数が多い→原子核に引き留められる力が弱い→電子を離しやすい&相手に押し付けやすい→自由電子の発生→金属ということだと思う。

遷移元素の噂

  1. すべて金属元素である。
  2. 昔は亜鉛族(Zn、Cd、Hg)を入れることもあったが最近は入れないのが主流らしい。
  3. 典型金属やその化合物が無色なのに対し、遷移金属のそれらは有色の場合が多い。
    • 吸収する光の波長が可視光にずれ込んでいるため。d-d*遷移と呼ばれるもの。ただし炎色反応はこの限りでない。
  4. 典型金属の酸化数は1種類が多いのに対し、こちらは複数種類になる。酸化数の違いで色が変わることも(例:銅。赤と緑がある)。
  5. オクテット則が崩れて大学生を苦しめる主な原因(拡張して18電子則などとする)。
  6. ランタノイドアクチノイドはすべてこれに属する。

第2周期元素(元素番号3~10)

ベリリウム

  1. まるで破れる音のような名前である。
  2. 宝石ではこれにも入っている。
  3. との合金は強くて有用性がある。
  4. 周期表の覚え方「水兵リーベー・・・」のベーとして有名。だが正直「リーベー」って何なのか分からない。
    • ドイツ語で「恋人」のこと(化学の先生にそう教わった)。
      • Leibe。Loveのドイツ語。水兵は僕の船が好き(恋人)って感じなんだろうか。
    • 僕らは水平リベットって習った。
  5. かなり毒性が強い。
    • 手塚治虫「ブラック・ジャック」に、ベリリウム中毒に冒されたピノコそっくりの薄倖な少女が登場する。
      • 実はピノコの顔はこの少女の写真をモデルにブラック・ジャックが形成したものなのでこっちが「本家」。
      • この少女は結局その回の終わりに亡くなる。「今度はピノコを連れて来る」と少女の墓に手を合わせるブラック・ジャック。
  6. ピィ?
  7. 軽い、硬い、強度が高い、融点もそこそこ高い、腐食にもそれなりに強い、と構造材料としては素晴らしい性質が揃っている…が、いかんせん毒性が強くてなかなか使えない。あと高い。
  8. CV:遠藤綾
  9. マクラーレン・メルセデスがエンジン素材に使用していた(熱膨張に強い)がフェラーリから文句が出て使用中止になった。その後しばらくエンジンブローに悩まされることに。
    • それは厳密にはアルミとの合金。
  10. 原子炉で濃縮ウランに当てる中性子はラジウム226とベリリウムを混ぜたものから発生させる。
  11. 安定同位体はBe(質量数9)の1核種だけ。
  12. とても安定していそうに思えるBe(質量数8)は実際にはたいへんに不安定。ちょうどα粒子2つ分なのですぐに分裂してしまうためらしい。
    • その理由ならC(質量数12)やO(質量数16)もそうなのかと思えるがこれらは安定。わけわからん。
  13. ヘリウムと紛らわしい。

第3周期元素(元素番号11~18)

マグネシウム

  1. 海水に含まれる「にがり」の主成分。
    • 実際に純マグネシウムも海水から作る。
    • 「苦鉄質」などと、マグネシウムが含まれているものを表す際、漢字で「苦」とされる事がある。
  2. 金属としてよりも、ミネラルのイメージが強い。
    • 毒性は少ないが、大量に摂取すると下痢をする。
      • それ故便秘薬に使われる事も。
  3. 純金属マグネシウムはよく燃える。
    • 燃焼中のマグネシウムに水をかける行為は厳禁。水素が発生し、今度はそれに引火して爆発する。
    • たいてい学校からマグネシウムリボンをくすねてきて家で燃やそうとするが、マッチでは火が付かずガスコンロのお世話になる。しかも恐ろしく激しく燃えるので火事になるんじゃないかとビビる。台所を焦がしたが最後、絶対に言い訳できないぐらいのすごい焦げ跡が残る。
    • あまりにも光過ぎて「目がぁ~目がぁ~」になる
      • 昔の写真撮影用フラッシュランプに利用されてたくらいだからね。
    • 正しい消し方は「砂をかける」。
  4. アルミニウムなどと混ぜて軽合金として使用される場合が多い。
    • クルマのホイールにも使われる。正直、高いだけでメリットなど感じられない。
      • 普通の人にはそんなもんだよ。
    • マグネシウムがメインの合金はエレクトロンというらしい。電子とは。
  5. マグネシウムを燃料としたエンジンの開発が進められている。
    • マグネシウムは地球上に大量に存在し、燃焼時には二酸化炭素が出ない。燃焼後の酸化マグネシウムは太陽光励起レーザーで還元すればリサイクルが可能という環境に優しい素材である。
    • 東京工業大学の教授陣らと三菱商事がタッグを組み、2009年を目途に開発中。
    • あんな爆発的燃焼を起こす物質が燃料になるんかいな?
      • 爆発的燃焼を起こすからこそエンジンに使えるって考えるんとちゃう?
        • ちなみに児童向け文庫シリーズ「新シェーラひめのぼうけん」でマグネシウムエンジンを思わせる記述が存在している。
  6. 体操競技ですべり止めとして使われる白い粉は、炭酸マグネシウム。
  7. 軽いので携帯電話の筐体によく使われる。 成形するのにマグネシウム粉末が出るので工場は超危険。
  8. 「マグネット」からの連想で磁石に近づけてみると、くっつかない。
  9. かつて宇部興産が生産していた。

アルミニウム

アルミニウムへ。

第4周期元素(元素番号19~36)

スカンジウム

  1. 実際に発見されるより前に、エカホウ素、として予言されていた。
  2. 非常に高価である。重量当たりで白金より1桁高いらしい。
  3. 存在自体はさして稀少ではないが、広く薄く分布していいるので利用しにくいらしい。
  4. 名前はスカンジナビア半島が由来。
    • 発見者の母国スウェーデン(のラテン語名)にちなみ「スウェシニウム」になってもおかしくなかった気がする。

チタン

  1. 資源埋蔵量は何気に多く、地球上で9番目に多い元素。
    • 鉱物資源としてはの次に多い。
  2. 硬くて熱に強く、戦闘機からフライパンまで用途は多い。
    • ゴルフクラブでもよく使われる。
    • 欠点として、加工がちょっと難しい。だから高価になる。
    • アクセサリーにもよく使われる。
      • 何でもアレルギーになりにくいんだとか。
  3. の石にも含まれている。
    • 一部のガンダムの原料にもなる。
  4. 下っぱ扱い。
  5. 冷戦時代、最高品質のチタン製造技術を持っていたのはソ連。対立していたアメリカもソ連製チタンを密輸して使っていたほど。
    • 現在でもチタン製造大手には複数のロシア企業の名前がある。
  6. 愛知県の半島
    • 知多ン半島w。
  7. 鉄の3分の1の重量で、鉄と同程度の強度を持つらしい。
  8. タイタン、ティターンなどとは発音が違うだけで実は同じ言葉。
  9. 金(ゴールド)と白金(プラチナ)の間
  10. 二酸化チタンは食品添加物の合成着色料。金属化合物が合法化された添加物になってるのは珍しい。
    • 白色の着色料。ホワイトチョコやキャンディーの素地の色に使われる。
    • 胃造影剤の硫酸バリウムと同じく体に吸収されないため、無害だから認められている。つまりホワイトチョコを食べ過ぎるとウ**が白くなる?
    • 三二酸化鉄も(おそらく近江八幡市の名物「赤こんにゃく」だけのために)食品添加物として認可されている。ベンガラ(というか赤さび)で食い物に色をつけるというのはすごい発想だが、煮込んでも色落ちしないからとか。
    • 光触媒作用もあるらしい。
      • 「本田・藤嶋効果」。二酸化チタンを片付けずに溶液中に放置しておいたところ、日光が当たる翌朝、大量の気泡が付着していたのを見かけたのが始まりだとか。
    • n型半導体として働く。つまり水溶液中では酸素を発生する。上記研究ではこれだけを使用していたが、p型半導体になる光触媒物質(CaFe2O4など)を接続すれば、発電と電気分解を高性能にできる。
  11. 車やバイクのチタンマフラーは、焼き色が特徴。

バナジウム

  1. 天然水。
    • 富士山が有名。
    • 糖尿病患者に効果があるらしい。
    • しかしバナジウムイオンを摂取し過ぎると癌になるらしい。
  2. 工業的にも需要が高いレアメタルだが、日本では中国ロシアからの輸入に依存している。
    • そのため、有事に備えて最低60日間分の備蓄をしていなければいけないらしい。
    • 石油や石炭にも含まれているため、石炭の灰から抽出も行っている。
  3. 元素記号は「V」。
    • でも、「ヴァナジウム」という表記は余り見たことがない。
  4. CV:後藤沙緒里
  5. バナナから発見されたわけではない。まあ上述のとおり頭文字は「V」だしね。
  6. ホヤが体内にバナジウムを蓄積する特性を持っている。
    • その特性を利用して金儲けしようとした人がいたが、ゴルゴに射殺された。
  7. バナジウム鋼はスパナやレンチではけっこうおなじみ。

クロム

  1. 一番よく見る姿はニッケルとの合金のニクロム。
    • これを線状にしたものに電池を繋いで、発泡スチロールを切ったり。
      • そしてその状態の電熱線に触ってしまい火傷をしてしまう。
    • 電熱器やトースターなどの日常で使われる製品にも使われる。
    • またはモリブデンと鉄との合金、クロモリ鋼。
      • 車のロールケージなんかでおなじみ。
    • 二クロムではない。
      • ついでに、ニクロム酸は存在しない。
    • との合金のステンレスの方がよく見かけるぞ。
  2. あの絵の具のいまいち分からない色「ビリジアン」は、これの3価物が入っているらしい。
    • 「いまいち分からない色」って…。結構綺麗な緑色だぞ。
    • ビリジアンの主成分は含水酸化クロム。ちなみに無水酸化クロムを主成分とした緑色の絵具が「オキサイドオブクロミウム」。
  3. 皮をなめす道具。下水に流してはいけない猛毒。
    • それは6価の化合物限定。単体のクロム(金属クロム)は人体に無害(でなけりゃステンレスが台所用品に使われるわけがない)。
      • と並んで実態よりイメージの悪い金属として知られる。なお銅にクロムを添加したクロム銅という合金も実在。
    • 3価の化合物に至っては必須ミネラル。インスリンの働きを助ける。
      • 故にクロムが不足すると糖尿病になる。
    • 関西の某深夜番組で「チャップリンの映画みたいに革靴を食べてみたい」という依頼が来たことがあったが、なめしにクロムを使っていない革靴を探した結果フェラガモを買う羽目になった(クロムなめし剤も6価ではないのだが)。
  4. 化合物は原子価により赤から紫までの様々な色を呈する。
    • 2価の化合物は青色。
    • 3価の化合物は緑色or紫色。
    • 6価の化合物は黄色or橙色or赤色。但し既出のように毒性が強い。
    • 但しどの原子価においても例外があるのは言うまでもない。
    • このカラフルさが名前の由来になった。「クロミア」はギリシャ語で「色」。
  5. 手強いシミュレーションの主人公の一人。

マンガン

  1. これを酸化させたものは、酸素の発生装置。
    • と言ってもこれ自体に何ら変化はない。
    • マンガン電池に使われているのもこれ。
  2. 麻雀ファンは別のことを想像する。
  3. オコリン坊とニコリン坊と貧ちゃんが住む神社の名前。

鉄族

  1. 鉄、コバルト、ニッケルの3つをいう。共通項は普通の状態で強磁性体であること。
  2. ときどき、クロムやマンガンも含まれると思っている人にお目にかかる。
  3. とはいえ常温常圧で、鉄は体心立方晶、コバルトは最密六方晶、ニッケルは面心立方晶、と三者三様な一面もあったりする。

コバルト

  1. コバルトブルーの語源。
    • 合唱曲「ダムの歌」では湖面に映る空の色。
  2. 元素記号が一酸化炭素と紛らわしい。
    • 2価のコバルト塩に高圧の一酸化炭素を吹き付けるとCo2(CO)8という化合物(オクタカルボニル二コバルト)ができる。出オチのような化学式だが、意外にも触媒などに役立つらしい。
  3. 集英社が発行している少女向けライトノベルの老舗レーベル。
    • これのファンは足を向けて寝られない。
  4. ドイツの伝承に出てくる小妖精「コボルト」が語源。
  5. 放射性同位体のコバルト60は半減期が5.8年で、強烈なガンマ線を放つ。これを利用して北海道では貯蔵しているジャガイモに照射して発芽させないようにしたり、沖縄でゴーヤを食い荒らすウリミバエのオスに照射し、無精化させて屋外に放つ。そのオスはメスと交尾して卵を産んでも孵化しないので、ウリミバエは絶滅。そのため1992年に沖縄産のゴーヤが本土へ出荷できるようになった。放射線が役に立っている一例である。
  6. 放射性コバルトといえば普通は60だが、実は57も放射性。これは鉄57との間で一種の共鳴現象を起こす。
  7. これを使う核爆弾も可能だが汚染がひどすぎて実用的ではないため配備されることはなかった。

ニッケル

  1. 最近は充電池の電極として有名。
  2. 昔の50円玉は100%のこれだった。
    • ニッケルも鉄みたいに磁石にくっつくという身近な例として、小学校の理科実験でよく使われてたんだが、今の子供たちは何で学ぶんだろう。
  3. との合金は「白銅」、銅と亜鉛との合金は「洋白」
    • 前者は現在の50円玉・100円玉、後者は現在の500円玉。
    • 白銅のニッケルの割合を増やすと「コンスタンタン」という何だか妙な名前の合金になる。
      • 工学部なら熱伝対でいやというほど付き合う。
    • なんだかモーツアルトの奥さんみたいな名前である。
  4. 米国の5セント硬貨
    • アメリカンフットボールで、パスを予想した守備体系で後方のメンバーを多くし「5」人とした場合、こう呼ばれる。「5」つながりということで。
    • 米国インターステーツハイウェイの制限速度55MPHは、ダブルニッケルと呼ばれる。
    • しかし実際にはニッケルよりも銅の方が多く含まれているらしい。それどころか鋳造された時代によってはほとんどニッケルを含まないものもあるが、その当時もニッケルと呼ばれたらしい。
  5. 同様、磁石につく。
    • 鉄・コバルトとともに「鉄族」を構成する。
    • 但し化学的にはこの中では一番安定。
    • 鉄とともに重い恒星の中央部で最後につくられる元素。
      • 質量数に対する原子量の割合が鉄と並び最も小さい。
  6. 実はプラチナと同じ10族でもある。錯体には同じような構造のものがあるという。
  7. 名前は、ドイツ語で「悪魔」という意味。
    • 元々は「銅の悪魔(Kupfernickel)」と言った。銅鉱石のまがいもので銅を含まないことから、当時の坑夫や錬金術師などからは目の仇にされていた。
      • ちなみに銅とは周期律表で隣り合わせ。鉄族としての性質、10族としての性質の他、銅に似た性質も若干合わせ持つ。
    • コバルトも似たような悪い意味、だったと思う。
  8. カナダ出身のロックバンド。
    • カッコ良いけれど、「売れ線」と揶揄されてしまう事もしばしば。
  9. 変化球スライダーの原型。
  10. 太平洋にやたらこいつが採れる島があるらしい。
    • 「天国に一番近い島」で有名なリゾート地・仏領ニューカレドニアは、実は世界有数のニッケル鉱山だったりする。日本で使うニッケルの半分はここ産。
    • 太平洋戦争中にはニッケル目当てに上陸作戦が計画されていた。
  11. 日本でもニッケルを見っけることができるが、儲からないのでほったらかし。
    • 戦時中の京都府北部では連合軍の捕虜をこき使って採掘されていたがとても商業ベースに乗る量ではなかったため終戦とともに閉山。
  12. 人によっては触るとアレルギーを起こす。

亜鉛

  1. 未満の物質(大嘘)。
  2. トタン板など、めっきの材料。
    • 亜鉛は鉄よりも錆びやすいため、結果として鉄板をさびにくく出来る。錫メッキのブリキとは逆の発想。
  3. 酸化物は白の顔料。「ジンクホワイト」の語源。
    • 硫化物は黄色の絵の具に使われる「ジンクイエロー」。
      • ジンクイエローは亜鉛のクロム酸塩(六価クロムを含むので毒性が強い)。硫化亜鉛は蛍光塗料に使われる。もしくはカドミウムの硫化物と混合して「カドミウムイエロー」として使用(硫化カドミウム単独でもカドミウムイエローとなる)。
  4. 亜鉛のイオンは生物にとって非常に重要。
    • 欠乏すると物の味が分からなくなる。
    • 亜鉛のサプリメントは精力強壮剤のように思われている。
      • 不足するとあっちの機能が低下するらしいが、豊富にとったから強化されるというわけではない。
        • 基本的に毒性は低いが摂取しすぎると過剰症になるおそれがあるので注意。
    • 牡蠣やレバーなどに大量に含まれている。
  5. 一方で金属亜鉛の粉末は有毒。
    • なお、同じ族(12族)のカドミウムや水銀は化合物も殆どが有毒。
    • 族が違うが本家「鉛」(炭素~スズと同じ14族)も。
    • 塊状の亜鉛(管・板等を含む)はそれほど害はない。
  6. 乾電池の陰極に使われている。
  7. との合金は「真鍮(黄銅)」、銅とニッケルとの合金は「洋白」
    • 前者は現在の5円玉、後者は現在の500円玉。
    • 銅とスズに亜鉛を混ぜた青銅が現在の10円玉。
      • 「青銅」は青くなくても銅とスズの合金ならば、それに何が含まれていようとそう呼ばれる。
    • なので日常的に「会えん」わけでもない、ごくごく普通の元素。
    • 黄銅というと貨幣材料のイメージがするが、真鍮というと工作や日曜大工の香りがする。
      • 人によってはブラスバンドを思い出すかも。

ガリウム

  1. カリウムとは関係ない。
  2. 30℃で液体になる。水と同じで固体より液体のほうが密度が高い。
  3. 窒素やヒ素との化合物は重要な半導体材料。
  4. 寿司屋にはおいていない。
  5. これを含んだスプーンはハンドパワーで曲げたり切断したりしやすい。

第5周期元素(元素番号37~54)

イットリウム

  1. YAGレーザーのY。
  2. 高温超電導ブームのときにはちょっとした人気元素になったが、それも今は遠い昔。
  3. イッテルビー4兄弟の長男。
  4. 1920年代に元素記号がYtからYに変更された。

ジルコニウム

  1. 核燃料ではないが原子炉材料。
  2. ジルコンともいう、と思っている人もいるがそれはケイ酸ジルコニウムという化合物。ジルコンは宝石としても使われる。
  3. 部分安定化、という言葉にピンときたらキミもこの元素の第一人者。

ニオブ

  1. 鋼中添加物や超硬工具に使われる。
  2. 当初はコロンビウムと命名され、元素記号もCbとされた。しかしその後一時タンタルと混同される時期を経て正式に今の名称、元素記号になった。
  3. アメリカは今も国際調和に逆らいコロンビウムと呼び続けている。
    • 政府機関や化学関係団体では普通に「ニオブ」と呼んでいる。

モリブデン

  1. やクロムと混ぜた物は昔から自転車のフレームでおなじみ。
    • クロモリ鋼。ロールバーとかでもおなじみ。はじめは人の苗字かと思った。
    • 鉄、チタンと混合すると最強の合金ができるとか。(『空想科学大戦!』シリーズより)
  2. 動物たちの救助隊。
  3. ゼルダの伝説に出てくる。槍を投げるのが得意。
    • 「時のオカリナ」ではリンクを見つけると突進してくるだけ。
  4. 風の又三郎の三郎が舞台の村に来ることになったのはそこでモリブデンの鉱脈が見つかったから。
  5. グリスに混ぜると良い感じに抵抗が減る。
    • それは二硫化モリブデンな。
  6. かつてのPhilipsの周期表ではなぜか、タングステンとともにnon-metallicに分類されていた。

テクネチウム

  1. 世界初の人工放射性元素
    • 名前の由来はテクニック。人間の技術で合成できたことから。
  2. 医療用の薬品としてバンバン使われている。
    • これを投与された患者が原発近くを通行するだけで放射線監視装置が反応を示すため、放射能漏れではないかと大騒ぎになることも。
  3. 実は、自然界にもごくごく微量ながら存在する。
  4. 比較的原子量が小さいのに見つからず、長い間正体不明であった。
  5. 明治の頃に日本人が発見したとされ、ニッポニウムと命名されたが、残念ながら間違いであった。
    • ニッポニウムの原子番号・Npは現在ネプツニウムに使われている。
    • 現在リベンジ戦として、113番元素ジャポニウムの合成が試みられている。

ルテニウム

  1. ルテチウムとかぶる。紛らわしいが、あちらはLu、こっちはRu。
  2. 名前の由来は地名のルーシ。
  3. 単体の金属鉱物の状態で自然界に存在する。
    • 北海道には、世界有数の自然ルテニウムの鉱床がある。
  4. 実は、金、白金に匹敵する貴金属の一種。
  5. 有機合成化学の触媒として有用。
  6. 漢字で書くと「釕(りょう)」だという。読めるかっ!
    • どんな元素でも漢字一文字で表現してしまう中国人の発想に脱帽。

ロジウム

  1. バラ色が特徴。それが名前の由来でもある。
  2. 白金とともに熱電対に使われる。

パラジウム

  1. 水素吸蔵力が強力。
  2. しかしアセトアルデヒド生成触媒としての用途は上のロジウムに奪われ気味。
  3. 貴金属なので宝飾品にも使われるが、アレルギーの原因になることがあるあたり、周期表で上下のニッケルやプラチナと相通じるところがある。
  4. 歯の詰め物としてよく使われる。
  5. 有機化学は有機金属(触媒反応)と生物有機化学が主流だが、前者の合成に用いる触媒に特によく使われる。鈴木・宮浦クロスカップリングもこの化合物が触媒となっている。
  6. 貴金属ではないが、有用性のためより高価になっている。この金属を専門的に取り扱う上場投資信託があるほど。

カドミウム

  1. 悪名高い金属
    • 公害の象徴扱い。
    • 患者が痛い痛いと言うからイタイイタイ病。
    • 同じく公害金属の水銀とは12族の仲間。但しこちらの方が酸化されやすい(あっちは準・貴金属のレベル)
  2. 貝類は体内に蓄積しているものもいる。
    • 亜鉛とも同じ族だからな…もっとも亜鉛化合物は一般に無毒。こっちは化合物自体有毒。
  3. しかしニッカド電池、顔料、半導体等で割りと身近に存在する。
    • 黄色い絵の具
      • カドミウムの硫化物(顔料→絵の具として使用)はの単体と同じくらい美しい黄色。
    • ニッカド電池は最近見ないな。
      • 使うメリットがないから。捨てるのも大変だし。
      • 唯一、大電流を流せるというメリットで電動工具やラジコンに使われたりはしているようだがニッケル水素やリチウムの性能が上がるにつれて使われなくなってきた。
  4. スーパーXがゴジラに撃ち込んでいた。
  5. 「カドウム」でググっても結構な件数がヒットしてしまう。

インジウム

  1. 入口?
    • アウトジウムというのは、ない。
    • 炎色反応が藍色(インジゴ)だったため名付けられた。
  2. 自然界では、放射性同位体の方が安定元素より多く存在するという、希有な元素。
  3. スズとの化合物は、液晶ディスプレイやタッチパネルの材料として有用である。
    • ただし最近では、毒性があるのではないかと疑われるようになってきている。
  4. これの単体金属は、粘土を思わせるほど柔らかい。

スズ

  1. 電子工作に使われるはんだに使われる金属。
    • は含まれているものとそうでないものとある。
      • 鉛は危ないということで含めないものが増えている。
  2. 古来からと混ぜられて青銅としても使われた。
    • あくまで銅とスズの合金が青銅であるので、他に何を含んでも色が違っても青銅である。
      • 現在の10円玉は銅・スズに亜鉛を含んだ青銅。
  3. 昔のおもちゃによく使われたブリキの原料の一つでもある。
  4. 振っても鳴らない。タマやドラえもんの首にもついていない。
    • こっちのスズは私のように、音を出すことは出来ないよ
      • 実は曲げると鳴ったりする。
    • 錫で鈴を作ることができない訳でもないと思うが、普通はそんなことしない。
  5. 船の貝付着防止に使われてるなど、意外と毒持ち。
    • ただし単体ではそうでもないらしく、昔はよく食器として使われていた。ってか、今でも錫食器は存在する。
    • 付着防止剤(トリブチルスズ)のような有機化合物になると毒性が強い。無機化合物はたいしたことない。
  6. 低温になるとダイヤモンド型の共有結合になり、金属らしさを失った「灰色スズ」に変態する。但しダイヤモンドとは異なりすこぶる脆い。
    • 温度が下がっても直ちに変態するわけではないが、一部が変態すると次々と伝染するように見えることから「スズペスト」と恐れられた。
    • ナポレオンのロシア遠征における敗因の1つに挙げられる。
  7. 昔の日本女性の名前。
  8. 能登半島の先端で採れる。(嘘)
  9. 元素記号を見ると「数列の和」が思い出される。
  10. かつてはマレーシアで大量に採れた。
    • 「緑の山はゴム園、はげ山は錫鉱山」という言葉があったほど。

第6周期元素(元素番号55~86)

ハフニウム

  1. 化学的性質が、周期表で真上のジルコニウムにそっくり。このため発見が遅れた。
  2. ランタノイドには含まれないが、「ランタノイド収縮」の影響を受けている。
  3. 岐阜県から産出するらしい。

タンタル

  1. 王水にも溶けない。
  2. 色は黒っぽい。
  3. 特に毒性がなく無害とされており、人工骨等にも使われる。
  4. しかし最近ではタリウムのせいで風評被害を受けることも。
  5. 徹甲弾に使うと威力は絶大らしい。
    • ただし価格が高すぎるため実際に使われているのはタングステンや劣化ウラン。

タングステン

  1. 電球のフィラメントとしてつとに有名。
  2. 合金は非常に硬度が高い。
    • また比重も非常に重く、の偽造に使われた例も。
  3. レッドチャイナがほとんどを産出。
    • 軍事・産業的に重要な物資であり、中国にとっては交渉の鍵になる可能性がある。
  4. 融点は普通の金属の中では最高。
    • なのでTIG溶接はこいつを使う。
      • たまに溶け落ちて溶接不良の原因になる。いわゆるタングステン巻き込み。誤魔化そうったって放射線検査すりゃばれる。
  5. 「なぜ元素記号がW?」と思った人は多いと思う。ちなみにドイツ語名の頭文字からとったらしい。
    • Wolfram.ドイツでは今でもこう呼んでいる。
  6. かつてのPhilipsの周期表ではなぜか、モリブデンとともにnon-metallicに分類されていた。
  7. 高級なダーツの矢の金属部分はこれの合金。値段もかなり張る。
  8. かつては現在の岩国市内陸部でも採掘が行われていた。
    • 鉱山跡地を再利用したのが広島地区でも独特のCMソングで知られる美川ムーバレー。

レ二ウム

  1. レア(希少)メタル中のレアメタル。非常に珍しい。
  2. 産地の1つとして択捉島が挙げられるが、北海道でもわずかに産出するらしい。
  3. 安定同位体より放射性同位体の方が存在量は多い。ただし半減期がメチャ長いのであまり気にされてないらしい。
  4. 化合物もいろいろあるが、残念ながら紫色のはない。
  5. 明治の末に日本人が見つけていたが当人が気付かず命名権を逃してしまった。

オスミウム

  1. 臭い。名前もそれが由来。貴金属でありながら。
    • 臭うのは、酸化されてできる四酸化オスミウムのせい。こいつがまた揮発性でかつ猛毒ときてる。
  2. 一番重い(原子量でなく比重が)元素である。
  3. 「メスミウム」はない。

イリジウム

  1. プラチナと一緒にすることで、硬度の高い原器になりうる合金を生み出せる。
  2. 恐竜の絶滅原因に「隕石衝突説」をもたらした張本人。
    • 有名なツングースカ大爆発の中心地からも見つかったという。
  3. 衛星携帯電話の一種。
    • 日本では数年間使えなくなっていたが、KDDIの尽力で復活させた。
    • でかいアンテナ装置は不要。
    • 使う人工衛星の数がイリジウムの原子番号(77)と同じ、という触れ込みだったと思う。
  4. プラチナに変わるスパークプラグのチップ。
    • ただチューナー間でもハードチューンにはプラチナの方が合ってる、いやイリジウムの方がミスファイヤしにくいとか論争中。
  5. 名前がインジウムとややこしい。
  6. 「デジウム」はないらしい。

白金

  1. 白い光沢を持つ。
  2. より産出量が少なく、高い。
    • でも金よりイオン化し易い。
  3. 触媒としての有用性が高い。
    • 粉末にすると黒く見える。その状態のものを「白金黒」ともいう。
    • ハクキンカイロ。
  4. 某アニメのオープニング。
    • 歌ったのはこの人
      • I'm a dreamer~♪ひそむパーワ~♪
  5. タロットカードで「星」の暗示。
    • 初期の頃、「星の白銀」と表示されてたのが忘れられない。
  6. 実は6つ子兄弟(白金族6元素の1つ)。
  7. 次のポケモンソフトのタイトル。
  8. 老舗の万年筆メーカー。
  9. シロガネーゼ
    • 外苑西通りのうち、白金6丁目交差点から白金台交差点までの間は「プラチナ通り」と呼ばれている。
    • しかし、本当は白金台の「白金」は「しろかね」と読む。つまり、のことである。
  10. ホワイトゴールドは金の合金。プラチナと思うなかれ。
  11. 入場券。
    • 欲しい人には、喉(のど)から手が出るほど欲しい物。
    • 興味のない人にとっては、紙切れ。
      • ワールドカップの決勝戦とかオリンピックの開会式とか紅白歌合戦とか
  12. これをカードにすると、桃太郎ランド以外の物件を1/10の値段で買うことが出来る。
  13. とても小さなコロイド状にするとサプリメントになる。
    • でも体内で溶けたりするわけじゃないと思われるので、果たしてどんな効果があるのかがあるのだろうか?
      • その高い触媒能力から抗酸化作用をもたらす・・・らしいのだが、胡散臭いことこの上ない。
  14. 金よりも貴重だが、貴重すぎて畏れ多いということでメダルに採用されなかった。
    • 表彰式などで遠目から見ると銀メダルと区別がつかないというのも理由かも。
    • このゲームではほしがる人がいっぱい。
  15. 炎色反応で使う白金線でも一本5000円。
    • 白金るつぼに至っては「時価」。
  16. 2番目。
    • 悪行三昧。
  17. CV:沢城みゆき
    • キャラクターが小泉紅子(2代目)と妙にかぶる…。
  18. むかつく
  19. 南米を征服したコンキスタドールが銀と一緒に持ち帰ったが当時の技術では溶かせず捨てられてしまったとか。
  20. これまで産出された全量を立方体にしても1辺6メートルくらいにしかならない。

水銀

タリウム

  1. 重金属の御他聞にもれず毒性が強い。昔はそれを逆手にとって脱毛剤に使われたこともあるらしい。
    • KGBが反対者の粛清に用いたこともある。
  2. 知名度的には長らく超マイナー元素に過ぎなかったが、名古屋大学の学生が起こした某事件によって一気にメジャー元素の仲間入りをした。
    • 実は化学ファンにとってはかなりコアな元素。重金属のICP分析における内部標準物質になったり、放射線測定のシンチレーション検出器での利用など化学分析には欠かせない元素。
  3. 漢字で書くと「鉈」だが、刃物の鉈(なた)とは全く関係ない。中国語で金偏に「ター」の音を当てた結果こうなったらしい。

  1. 昔のハイオクガソリンの主成分。
    • リアルジジババならば、赤、緑、青のステッカーの意味を知っている。
      • 橙色もあったよね(高速有鉛)。
    • 主成分は言いすぎ。添加剤の主成分にすぎない。さらにいえば有鉛レギュラーガソリンもあった。
  2. 柔らかく、そして重い。
    • しかも猛毒。
      • 鉛弾で仕留めた動物を食して中毒を発症する事が問題になった。
      • 昔、「鉛のグラスでワインを飲むと味がまろやかに」という噂で中毒患者続出したとか。
        • ローマ帝国では鉛の内張をした容器でワインを温めると甘くなるということから、普通にやってたらしい。コレが脳を冒す毒でしかも代々続くっていうんだから「ローマ帝国は鉛で滅びた」という説もあるぐらいである。
        • ベートーベンの難聴の原因とも言われている。酢酸鉛の甘味料入りワインを愛飲していたとも。
      • 化粧品にも使われていた(鉛白)。その副作用は推して知るべし。
        • かの小野小町も化粧品に含まれるこれのせいで晩年は見るも哀れな姿だったとか…
      • 加工のし易さから水道管にも使用されてきた。
        • 配管工のことを"plumber"といのはその名残(鉛のラテン名がplumbum、元素記号Pbの原語)。たとえ鉛を含まない配管でも。
        • 中性の水道水にはほとんど溶けないが、水が酸性化すると鉛が溶出する。特に蛇口近くの滞留水には要注意。
        • 朝一で飲み水に使うときは、バケツ1杯程度流してからの方が無難だとか。
  3. ウランが崩壊したあとにできる金属。
    • トリウムもなれの果ては鉛。
    • そのせいか、放射線を遮る能力は随一。金属のまま使用することもあれば、ガラスに大量に混ぜて使用することも。
      • スーパーマンの透視能力を防げるが、あれも放射線の一種なのだろうか。
  4. 冬の日本海側の空と海の色。
    • 毎日気が滅入る…。
  5. 昔の釣りのおもり。
    • おもちゃの兵隊の原料でもあった。
  6. 地方の高齢者ほど強くなる。
    • 石川啄木は故郷のこれが懐かしくなって上野駅までわざわざ行った。
  7. 蓄電池(車のバッテリーなど)。
    • 一部はニッケル水素(ハイブリッドカーなど)に置き換えられたが、普通のバッテリーは現在もこれである。
      • 現在EV・HEV・PHVともにコンピューターの制御用には鉛バッテリーを使っていて、電力が不足すると駆動系のNI-MHやリチウムイオンの二次電池から電力を引っ張ってくる。
  8. 節を付けたらカツオの生乾し。
  9. 黒鉛と混同されがちだが、黒鉛は別の物質。毒性もない。
    • よって、寝ぼけて鉛筆をかじっても(おそらく)危険はない。
  10. 花巻市の温泉のひとつ。
    • 立ち湯が有名。
  11. これより重い元素は全て放射性。
  12. 黒鉛はこれの一種ではなく炭素

ビスマス

  1. 以前は安定元素だと思われていたが、実は放射性。といっても半減期は異常に長い(約1900京年)ので実用上は安定元素と同じに扱って問題ない。
  2. 重い元素の中では毒性が低いので鉛の代わりにはんだなどの合金材料などに使われる。
  3. 結晶がカラフルな色彩を示すことが多く、観賞用に売られている。
    • 実は表面に出来た酸化物の薄膜のせいで光が乱反射するため。
    • この元素のバナジン酸塩であるバナジン酸ビスマスも鮮やかな黄色を呈する。
      • バナジン酸ビスマスはビスマスイエロー或いはバナジウムイエローと呼ばれ、黄色の顔料として使われる。
      • 硫化カドミウムと異なり毒性が無いことから、カドミウムイエローの代替品としてこの黄色顔料は良く使われる。
    • ビスマスを溶かして固めて観察するのが趣味って人が知り合いにいる。
  4. ちゃんと和名がある。蒼鉛。
    • 宮沢賢治もちゃんと知っており、詩の中で使っている。

第7周期元素(元素番号87~118)

ラザホージウム

  1. 初の超アクチノイド元素。
  2. 最初の発見(合成)の報告は1964年。なのに周期表に載ったのが1997年と、30年以上も正式名を決められなかった。
  3. 一番安定な同位体でも、半減期が数時間程度と極めて不安定。

シーボーギウム

  1. 物理学者グレン・シーボーグにちなんで命名。
    • 命名されたのはシーボーグがまだ存命中。故人しか命名の対象としないという慣例を破った。
      • 一時は却下されかけたが、アメリカがIUPACに強引にねじ込んで認めさせた。
    • シーボーグはアクチノイドの命名者で、同系列元素の大半の発見に関わっている。
  2. 有機化合物の合成に成功した、初の超アクチノイド。
    • カルボニル金属錯体のSg(CO) 6である。
  3. 半減期は大半の同位体が数ミリ秒以下。

ボーリウム

  1. ドイツの重イオン研究所で1981年に合成に成功。
    • これまで米ソの独壇場だった新元素合成研究に割って入る快挙だった。
    • この後、107番~112番元素までは、立て続けに重イオン研究所で作り出されている。
  2. 超アクチノイドには珍しく、化合物(塩素酸ボーリウム、BhClO3)の合成にも成功している。

レントゲニウム

  1. 1994年に発見。しかし名前が付けられたのは2004年と10年後。
  2. 数少ない、第11族元素の一つ。
    • 他はの3種類だけ。
      • オリンピックで4位入賞のメダルにふさわしいのでは?
      • ただし、半減期が最長で26秒なのが難点。
  3. 放射性元素だが、レントゲン検査には用いられていない。
    • レントゲン博士が発見したわけでもない。
    • レントゲン博士によるX線発見100周年を記念してこの名前になったらしい。

コペルニシウム

  1. 天文学者の名前が付いた唯一の元素。
    • 発見したドイツの重イオン研究所が革命的な「コペルニクス的転回」にインスパイアされて命名。
    • コペルニクスの提唱した太陽系の惑星の軌道モデルが原子の電子軌道に似ているというのも理由の一つ。
    • 命名が発表されたのもコペルニクスの誕生日。
  2. 実は水銀と同様、常温で液体の金属ではないかといわれているが、半減期が短すぎて確認できない。

ニホニウム

  1. 日本の理化学研究所で合成に成功した、唯一の国産の元素。
  2. まだ国際的には認定されておらず、正式には仮名の「ウンウントリウム」のままである。
    • 2011年の国際機関(IUPAC)の作業部会では認定は見送られたが、その後2012年に3回目の合成に成功したので、命名権取得はほぼ確定か。
      • ここのセクション名は「ジャポニウム」になっているが、勇み足となるか否か。
  3. ライバルは、ロシア米国の研究所。
    • 正確に言えばロシアと米国の共同チーム。いろんな意味で最強のコンビである。
      • 結局115、117、118は全部あっちに持って行かれてしまった…。
  4. 名前の候補は、他に理化学研究所(理研)にちなんでリケニウム、研究所の所在地にちなんでワコニウム、先駆者・仁科芳雄博士にちなんでニシナニウムなんてのも取りざたされている。
    • ここへ来て、南部陽一郎博士にちなむ「ナンビウム」が急浮上している。
      • 理由1:南部博士が素粒子理論の第一人者であること、理由2:同博士が鬼籍に入られたため、存命中の人物は採用しないという枠から外れたこと。
      • そして理由3:南部博士が米国籍で法的には日本人でないことで、米国・ロシアチームの同意も得られやすいことが挙げられる。
      • 但し、元素記号はNbが既にニオブに使用されているので、下のニッポニウムと同様に悩む。
  5. ジャパニウムとは全然関係がない。
  6. 昔、43番元素「ニッポニウム」発見という騒ぎがあったが、誤報であった。
    • ちなみに43番元素は人工的に合成されたテクネチウム。
    • ニッポニウムにつけられるはずだったNpはネプツニウムに使用されている。
      • Niはニッケル、Noはノーベリウムだから、仮に113番元素がニッポニウムと命名された場合に残された記号は「Nn」と「Nu」と「Nm」。どれもしっくりこない……
        • ニッポニウムは過去の経緯から完全にNG判定されたらしい。
          • 過去に一度名付けられた名前は採用できないという不文律があるため。
          • ところが、一発大逆転で「ニホニウム」に決定。日本人から見れば同じ名前のようだが、欧米の発音のニュアンスでは全く別名というところに目を付けた森田博士の勝ち。
  7. 元素記号はJpか。Jのつく初めての元素となるか。
    • 他にJがないので「J」一文字の可能性もある。
  8. 2015年の第48回IUPAC評議会で、ついに命名権決定!…という前振りで盛り上がったが、結局またしても命名は延期になった模様。
    • 水面下で、相当激しいバトルが繰り広げられているらしい。ガンバレ、理研!
      • 結局は2015年12月にIUPACが発見報告のある118番元素までまとめて認定することを決定し、併せて理研に113番元素の命名権があると発表した。これで2016年末頃には正式に決定する見通しとなった。理研GJ。
        • 今後理研は119番元素の発見を目標にするらしい。

リバモリウム

  1. 1999年にアメリカで発見(合成に成功)と報告されたが、実はデータ捏造であることがばれて取り消しに。
  2. 2000年、ロシアで再発見。こちらは正式に認証された。
  3. アメリカのリバモア研究所にちなんで命名。ロシアは「モスコウィウム」を提唱したが、却下された。
    • 本当の発見者はロシアなのに、アメリカの方が通ってしまったのか。
    • 「モスコビウム」は遅れて命名された一つ前の元素の名称に。
  4. 半減期が数ミリ秒(秒ではない。1/1000秒)と短寿命なので、性質は全く不明。
  5. UFOの燃料だとする説がある。

オガネソン

  1. 原子番号の最後にあたる元素…と思われがちだが、実は間違い。
    • あくまでも第8周期以降は「見つかっていないだけ」なので、これがラストナンバーではないという事になる。
      • ウンウンオクチウムは原子番号118だが、137の元素までは見つかる(というか合成できる)可能性がある。
      • 138以上になると、計算上、周回電子の速度が光速を越えるので存在できないらしい。
  2. 珍妙な名前だがこれは仮の物。これは他のウンウン何とかも同じ。
    • 何やらそろそろ名前が変わるとか何とか…。
      • 周期表では希ガス類の位置なので、…iumではなく、…onになるのではないかと。
        • そもそも極端に不安定なので、金属とか希ガスとかいった化学的性質が決まらない可能性が高い。
        • 人格が形成される以前に神に召された水子みたいなもの。
  3. 命名はドゥブナ研究所の物理学者ユーリイ・オガネシアンに由来。米露両国が命名権を持ってたがこちらはアメリカが譲歩した形。


1 元   素   周   期   表 18
H 2                     13 14 15 16 17 He
Li Be                     B C N O F Ne
Na Mg 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 Al Si P S Cl Ar
K Ca Sc Ti V Cr Mn Fe Co Ni Cu Zn Ga Ge As Se Br Kr
Rb Sr Y Zr Nb Mo Tc Ru Rh Pd Ag Cd In Sn Sb Te I Xe
Cs Ba *1 Hf Ta W Re Os Ir Pt Au Hg Tl Pb Bi Po At Rn
Fr Ra *2 Rf Db Sg Bh Hs Mt Ds Rg Cn Nh Fl Mc Lv Ts Og
 
*1 ランタノイド La Ce Pr Nd Pm Sm Eu Gd Tb Dy Ho Er Tm Yb Lu
*2 アクチノイド Ac Th Pa U Np Pu Am Cm Bk Cf Es Fm Md No Lr