高度情報処理技術者試験
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試験区分一覧
- ネットワークスペシャリスト試験(旧・テクニカルエンジニア試験ネットワーク部門、オンライン情報処理技術者試験)
- データベーススペシャリスト試験(旧・テクニカルエンジニア試験データベース部門)
- エンベデッドシステムスペシャリスト試験旧・テクニカルエンジニア試験エンベデッドシステム部門、マイコン応用システムエンジニア試験)
- 情報処理安全確保支援士試験(旧・情報セキュリティスペシャリスト試験、テクニカルエンジニア試験情報セキュリティ部門)
- システムアーキテクト試験(旧・アプリケーションエンジニア試験、特種情報処理技術者試験)
- プロジェクトマネージャ試験
- ITストラテジスト試験(旧・システムアナリスト試験)
- ITサービスマネージャ試験(旧・テクニカルエンジニア試験システム管理部門、システム運用管理エンジニア試験)
- システム監査技術者試験(旧・情報処理システム監査技術者試験)
過去の試験区分
- 情報セキュリティアドミニストレータ試験
- 上級システムアドミニストレータ試験
- プロダクションエンジニア試験
高度情報処理技術者試験の噂
- 応用情報技術者試験の更に上の階級で、高度情報処理技術者試験というのもある。一つの区分では無く、複数の区分の総称である。
- 主に技術の専門家向けの区分と、管理職向けの区分がある。
- 後者は論文試験もあり、難易度が非常に高い。
- 論文が課される区分:システムアーキテクト、プロジェクトマネージャ、ITストラテジスト(旧システムアナリスト)、ITサービスマネージャ(旧システム運用管理エンジニア)、システム監査技術者
- 後者は論文試験もあり、難易度が非常に高い。
- 高度の各区分は原則として、4月と10月のどちらか年1回しか実施されない。(基本情報などは年2回実施)
- ちなみに基本情報と応用情報の差よりも、応用情報と高度の差の方が遥かに大きいらしい。
- 高度情報処理技術者試験の各区分は専門分野に特化した試験であり、出題範囲は応用情報までと比べて狭いが、その分、モノ凄く深い内容まで突っ込まれる。
- 後述のセキュリティスペシャリストを除いて、どの区分も受験者は少ない。特に組み込みシステムみたいな特殊な分野だと尚更。
- 主に技術の専門家向けの区分と、管理職向けの区分がある。
- 午前1、午前2、午後1、午後2の4部構成である。
- 時々、午前1で不合格になってしまう人を見かける。出題内容自体は浅いが範囲がとても広いため。厳密には専門分野の知識を測定するのは午前2以降となる。
- 午前1で落ちるのはマジで勿体ないので絶対に避けるべき。ただし午前1は科目合格(免除)制度もあるため、午前1だけ受けて途中で帰る、なんて作戦もアリ。
- 応用情報の合格者も高度の午前1が免除される特典がある。
- 午前1の免除制度の有効期間は2年間である。期限が切れてしまったら、もう一度午前1から受験しなおさなければならない。
- 意外にもアルゴリズムに特化した高度区分は現在は存在しない。
- 昔はプロダクションエンジニアという区分があったが、21世紀に入る前に廃止された。
- かつてはユーザー向けの高度区分も存在した。情報セキュリティアドミニストレータ(セキュアド)と上級システムアドミニストレータ(上級シスアド)だ。
- セキュアドは難易度を大幅に下げて、情報セキュリティマネジメント(セキュマネ)として事実上復活している。
- 上級シスアドは論文課題があったため、ユーザー向けとは思えないくらい非常に難易度の高い試験だったとか。
- かつては一部の区分(システムアナリスト、プロジェクトマネージャ、システム監査技術者、上級シスアド)がスキルレベル5に指定されていたが、現在はスキルレベル4に統一されている。
- 専門学校生でネットワークスペシャリストやデータベーススペシャリストに合格できる奴はほとんどが通信制大学とのダブルスクールをしている奴。2年制の専門学校なら学年トップでも応用情報かセキュリティスペシャリストが関の山である。
- 高度試験のいずれかの区分(支援士を含む)に合格すると、技術士国家試験・情報工学部門の第一次試験の専門科目が免除される。
- また、セキュリティアドミニストレータ以外の高度試験の各区分の合格者は、社会保険労務士(社労士)試験の受験資格を得ることもできる。
- 2001年(平成13年)春から2008年(平成20年)秋までは、論文がない区分(今のスペシャリスト系)とシステム管理の区分(今のITサービスマネージャ試験)はテクニカルエンジニアと呼ばれていた。
各試験区分の噂
ネットワークスペシャリスト試験
- 昔はオンライン情報処理技術者試験と呼ばれていた。高度の中では比較的歴史の長い区分である。
- 業界ではしばしばネスペと略される。
- テクニカルエンジニア時代はテクネと呼ばれることもあった。
- 覚えることがとても多いため、しばしば「論文課題が無い区分としては最難関」と言われる。
- 実際、ネットワークセキュリティに関する問題は、情報処理安全確保支援士試験のそれより難易度が高いそうだ。
- テクニカルエンジニア時代は1ランク下のソフトウェア開発技術者を飛ばしてテクネを受験する人も少なくなかったとか。
- インフラ系のエンジニアの場合、アルゴリズムやSQLが苦手だとソフ開にはなかなか合格できないため、ソフ開を飛ばした方が対策しやすかったと言われている。
- インフラ系のエンジニアなら電気通信主任技術者や工事担任者と並び取っておきたい資格の一つ。
- シスコシステムズの認定資格もね。
- 試験の略号はNWで、英語名称はNetwork Specialist Examinationである。
データベーススペシャリスト試験
- 高度区分の一つ、データベーススペシャリスト試験は技術的な知識よりも国語力の勝負と言われることが多い。
- 民間資格のオラクルマスターとは出題傾向が異なるため、オラクル持ちでも合格するのは簡単ではない。
- でも実務で役に立つのはオラクルマスターの方だと思う。
- 2019年(平成31年)度春期の午後2に出題されたパン屋の問題がかなりの強敵であったことで有名。
- オラクルマスターと違って飛び級受験が認められているから、時々、基本情報や応用情報を飛ばしてデータベーススペシャリスト試験に挑戦する人もいる。
- ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』の津崎平匡はこの試験に合格しているという設定である。
- アニメ『ハイスクール・フリート』(はいふり)の納沙幸子ちゃんもね。
- そのため、逃げ恥の放送直後にこの試験の受験者数が大幅に増加するという珍現象も発生した。もっとも、データベースエンジニアの需要が高まったのもあるが…。
- 国家試験なので、オラクルマスターのような特定のデータベース製品に特有の機能やSQLは出題されない。
- 試験の略号はDBで、英語名称はDatabase Specialist Examinationである。
エンベデッドシステムスペシャリスト試験
- 組み込みシステムに特化した区分で、おそらく情報処理技術者試験の中で最もマイナーな区分。
- 受験者数は情報処理技術者試験の全区分の中で最も少ない。
- 他の区分のテキストはあっても、エンベデッドのテキストは売っていないなんて本屋も多いのでは?
- 情報処理技術者試験としては珍しく、電子回路や電気の知識が要求される区分。
- そのため、受験者のほとんどは大学の工学部や高等専門学校(高専)、工業高校などの出身者である。
- モータの知識も必要だったりする。そのため、高校レベルの物理学、数学の知識も使う。
- 出題テーマが非常に幅広く、ドローンや自動車の自動運転システムなどの他、観光案内用ロボットやコインパーキングなどがテーマになったこともある。
- 昔はマイコン応用システムエンジニア試験と呼ばれていた。
- 試験の略号はESで、英語名称はEmbedded Systems Specialist Examinationである。
情報処理安全確保支援士試験
- 情報処理安全確保支援士は情報処理技術者の中で唯一の登録制の国家資格(免許)。
- 元々は情報セキュリティスペシャリスト試験という高度の区分の一つだった。高度の中で唯一、年2回実施されていたということで人気が高かった。
- 資格の維持費が高い割に独占業務が少ない、更新制度がある、などの理由で、試験に合格しても登録しない人も多いらしい。
- 応用情報に合格した人が次に受ける試験は、ほとんどの場合これ。
- 他のスペシャリスト区分に比べて覚えることが少ない上に、年2回試験が実施されることから、高度の中では最も簡単と言われることが多い。しかしそれでも基本情報や応用情報と比べるとだいぶ難易度は高め。
- 2年制の専門学校だと学年トップでもこの試験に合格するのが関の山。他のレベル4の試験はダブルスクールをしているような奴じゃなければほぼ受からない。
- うちの専門学校(2年制)でセキュリティスペシャリストまで取った人のうちの1人は地元の国立大学を中退して専門学校に入学してきた。やはり基礎学力が高い人は資格試験にも強いのだろう。
- 情報セキュリティスペシャリスト試験の前身はテクニカルエンジニア(情報セキュリティ)試験。この頃は年1回しか実施されなかった上に問題の難易度も支援士やセキスペ時代より高かった。
- 当時はテクニカルエンジニア(情報セキュリティ)がエンジニア向けのセキュリティの試験、情報セキュリティアドミニストレータがユーザー向けのセキュリティの試験と言われていた。
- テクニカルエンジニア(情報セキュリティ)試験は2006年(平成18年)春から2008年春まで合計3回実施されていた。過去に実施された情報処理技術者試験の全ての区分の中で最も実施期間が短く、回数も少なかった区分である。
- 英語名称はInformation Security Engineer Examination。しかし何故か略号はSVである。Vは何処から出てきたんだ…。
- 高度試験の中で最も簡単な区分なので、しばしばレベル3.5の試験と揶揄される。
- 高度の中で唯一、セキュアプログラミングに関する問題が出題される。出題されるのはC++、Java、ECMAScriptのいずれかで、基本情報と違って受験者が自分の好きな言語を選ぶことができない。
- ただしセキュアプログラミングの問題自体は(記述式であることを除けば)基本情報のアルゴリズムやプログラミングの問題より簡単らしい。
- 昔はPerlが出題されることもあった。
- 幸いにも選択問題であるため、回避することも可能。むしろ未経験者は手を出さない方が無難。
- 情報セキュリティマネジメント試験と名前が似ているが、難易度は全く比較にならない。
- 試験の略号はSCで、英語名称はRegistered Information Security Specialist Examinationである。
- Registeredは「登録された」という意味。登録制の資格に変更されてから追加された。
- また、これとは別に、資格の略称としてRISS(Registered Information Security Specialist)が使われることもある。
システムアーキテクト試験
- 1993年までは特種情報処理技術者試験、1994年から2008年まではアプリケーションエンジニア試験と呼ばれていた。
- 実は高度の中で最古の区分である。
- 昔は受験資格に年齢制限(25歳以上)があった。これは他の論文区分も同じである(区分によっては27歳以上)。
- 現在は年齢制限は存在しない。しかしそれでも実務経験のない学生や、経験の浅い若手社員が合格するのはほぼ不可能。
- 特種、アプリケーション時代は午前、午後1、午後2の3部構成だった。2001年から2008年までは午前はシステムアナリスト試験やプロジェクトマネージャ試験との共通問題が出題されていた。
- ソフトウェア開発技術者試験の合格者はアナリスト、プロマネ、アプリケーションの午前が2年間免除される特典があった。
- 論文系の区分の中で最も簡単なので、受験者はこの区分が論文系で最初に挑戦する区分となる場合が多い。
- アーキテクトとは設計者という意味。その名の通り、主に開発・設計部門のリーダーが受験する。
- 試験の略号はSAで、英語名称はSystems Architect Examinationである。
- アプリケーションエンジニア時代はApplication Systems Engineer Examination(略号AE)だった。
- 特種情報処理技術者試験時代の英語名称はSystems Engineer Examinationだった。当時の二種と一種がプログラマー向けの資格だったのに対し、特種がシステムエンジニアの資格だったからである。
プロジェクトマネージャ試験
- 1994年から試験が実施されているが、一度も試験名称が変更されていない区分である。
- 2008年まではスキルレベル5だった。
- ヒエラルキー的にはシステムアーキテクト(旧アプリケーションエンジニア)よりは格上、ITストラテジスト(旧システムアナリスト)よりはやや格下という位置付けである。
- その名の通り、プロジェクトマネジメントに特化した試験である。ITストラテジスト同様、技術要素は控えめ。
- 試験の略号はPMで、英語名称はProject Manager Examinationである。
ITストラテジスト試験
- その名の通り、ストラテジの専門家のための試験である。
- 技術的な要素が控えめな代わりに、経営戦略や企業活動についてかなり深い知識が要求される。
- 昔はシステムアナリスト試験と呼ばれていた。
- 一般的には情報処理系の最難関資格といわれる。
- しかしそうでもないという人もいる。文系の人にとってはネットワークや組み込みなどのスペシャリスト系試験の方が難しいらしい。
- 正直、技術士の情報工学部門の方が難しいと思う。
- IT資格の最難関と言われることが多いが、システムアナリスト時代と比べるとだいぶ難易度は下がっている。
- 合格率もアナリスト時代は1桁台だったが、ITストラテジストになってからは10%を超える。
- この試験の合格者は、厚生労働大臣によって高度な専門知識を持つ労働者であると認められる。IT系の資格ではITストラテジスト(旧システムアナリスト)と技術士だけが高度専門職扱いである。
- すなわち、弁護士、公認会計士、不動産鑑定士、医師、一級建築士、技術士、博士号、アクチュアリーなどと同じ扱いになる。
- 試験の略号はSTで、英語名称はInformation Technology Strategist Examinationである。
- システムアナリスト時代はSystems Analyst Examinationで、略号はANだった。
ITサービスマネージャ試験
- 昔はシステム運用管理エンジニア試験と呼ばれていた。
- テクニカルエンジニア時代は論文系で唯一、テクニカルエンジニアを名乗っていた区分だった。
- 試験の略号はSMで、英語名称はInformation Technology Service Manager Examinationである。
- システム運用管理エンジニア時代はSystems Operation Management Engineer Examination、テクニカルエンジニア時代はSystems Management Engineer Examinationだったが、略号はSMのまま変わっていない。
- 論文系の区分ではあるが、合格しても中小企業診断士試験の科目免除の対象にはならない。(ただし弁理士試験の科目免除の対象にはなっている。)
システム監査技術者試験
- 前身の試験まで遡れば1986年(昭和61年)から実施されており、高度試験の中でも歴史のある区分である。
- 2000年(平成12年)までは年齢制限があり、27歳になるまで受験することができなかった。
- 今では年齢制限こそ撤廃されたものの、実務経験をもとにした論文を書かなくてはならないため、学生の合格はほぼ不可能である。
- しばしばITストラテジスト試験と並び最難関の区分と称される。かつてはスキルレベル5指定だった。
- 試験の略号はAUで、英語名称はSystems Auditor Examinationである。
- Auditorは「監査人」という意味。