高度情報処理技術者試験

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試験区分一覧[編集 | ソースを編集]

  • ネットワークスペシャリスト試験(旧・テクニカルエンジニア試験ネットワーク部門、オンライン情報処理技術者試験)
  • データベーススペシャリスト試験(旧・テクニカルエンジニア試験データベース部門)
  • エンベデッドシステムスペシャリスト試験旧・テクニカルエンジニア試験エンベデッドシステム部門、マイコン応用システムエンジニア試験)
  • 情報処理安全確保支援士試験(旧・情報セキュリティスペシャリスト試験、テクニカルエンジニア試験情報セキュリティ部門)
  • システムアーキテクト試験(旧・アプリケーションエンジニア試験、特種情報処理技術者試験)
  • プロジェクトマネージャ試験
  • ITストラテジスト試験(旧・システムアナリスト試験)
  • ITサービスマネージャ試験(旧・テクニカルエンジニア試験システム管理部門、システム運用管理エンジニア試験)
  • システム監査技術者試験(旧・情報処理システム監査技術者試験)

過去の試験区分[編集 | ソースを編集]

  • 情報セキュリティアドミニストレータ試験
  • 上級システムアドミニストレータ試験
  • プロダクションエンジニア試験

高度情報処理技術者試験の噂[編集 | ソースを編集]

  1. 応用情報技術者試験の更に上の階級で、高度情報処理技術者試験というのもある。一つの区分では無く、複数の区分の総称である。
    • 主に技術の専門家向けの区分と、管理職向けの区分がある。
      • 後者は論文試験もあり、難易度が非常に高い。
        • 論文が課される区分:システムアーキテクト、プロジェクトマネージャ、ITストラテジスト(旧システムアナリスト)、ITサービスマネージャ(旧システム運用管理エンジニア)、システム監査技術者
        • 2023年度からはエンベデッドシステムスペシャリストにも論文試験が課されるようになった。
    • 高度の各区分は原則として、4月と10月のどちらか年1回しか実施されない。(基本情報などは年2回実施)
      • セキュリティスペシャリスト以外の区分は2019年以前と2020年度以降で4月と10月が入れ替わった。
    • ちなみに基本情報と応用情報の差よりも、応用情報と高度の差の方が遥かに大きいらしい。
    • 高度情報処理技術者試験の各区分は専門分野に特化した試験であり、出題範囲は応用情報までと比べて狭いが、その分、モノ凄く深い内容まで突っ込まれる。
    • 後述のセキュリティスペシャリストを除いて、どの区分も受験者は少ない。特に組み込みシステムみたいな特殊な分野だと尚更。
      • 高度試験内で比較すると、受験者数が多い区分はセキュリティ、データベース、ネットワーク。少ない区分はシステム監査、ITサービスマネージャ、エンベデッドシステム(組み込み)。2023年度の受験者数最多と最少を比較すると、最多のセキュリティは春秋実施で合わせて約27000人、最少のエンベデッドシステムは秋のみ実施で約1800人であり、約15倍の差がある。
  2. 午前1、午前2、午後1、午後2の4部構成である。
    • 午前1が共通知識を問うマークシート、午前2がそれぞれの区分の専門分野の知識を問うマークシート、午後1がそれぞれの専門分野に関する応用力を問う記述式、午後2が「午後1よりさらに大規模な記述式」または「論述式」という感じ。
    • 応用情報の合格者(2年以内)は高度の午前1が免除される特典がある。
      • このほか、高度情報の午前Ⅰ通過者(2年以内・合格者含む)も免除対象となる。
    • 問題数は午前1が30問、午前2が25問である。
      • 午前1は、同期開催の応用情報からテクノロジ系17問、マネジメント系5問、ストラテジ系8問を抽出して出題される。どちらかといえば基本的な問題が出るとか。
      • 午前2は各区分の重点分野から20問程度(例えば支援士試験ならセキュリティ15問程度とネットワーク5問程度)、それ以外の関連分野から5問程度が出題される。
    • 午後Ⅰは3大問から2問選択(各50点)、午後Ⅱは2大問の片方を選択。例によって設問ごとの配点は非公表で、指示以上に解答しても午後Ⅰは大問1,2、午後Ⅱは大問1のみ採点され、残りは採点対象外となり当然得点にも反映されない。なお、選択した大問を記入していない場合採点されず強制不合格となる。
      • 午後Ⅱでは論文がない区分だと、設問に到達するまでの説明文が10ページ以上と長い。
      • 午後Ⅱの論述区分は2大問から1つ選択する。各大問は設問ア、イ、ウの3問からなり、それぞれ800文字以内、800-1600字、600-1200字で記述する。ただしシステム監査技術者のみ設問イ・ウは700-1400字となる。
        • このセクションのみ得点ではなくA-Dの段階評価となる。また、当試験の分野について自身が関わった業務を回答するアンケートもある。
        • こちらは1大問につき1ページと短い。
        • エンベデッドシステムスペシャリストは他の論述区分と字数指定がやや異なり、設問アは2ページ(800字相当)以内、設問イは2ページ(800字相当)~4ページ(1600字相当)、設問ウは1.5ページ(600字相当)~3ページ(1200字相当)と、若干緩い表現となっている。また、文章に加えて、図・表を記載してもよいことが明記されている。
    • 試験時間は午前Ⅰ50分、午前Ⅱ40分、午後Ⅰ90分、午後Ⅱ120分である。午前の2区分は途中退出ができない。
  3. 午前1で落ちるのはマジで勿体ないので絶対に避けるべき。ただし午前1は科目合格(免除)制度もあるため、午前1だけ受けて途中で帰る、なんて作戦もアリ。
    • 時々、午前1で不合格になってしまう人を見かける。出題内容自体は浅いが範囲がとても広いため。厳密には専門分野の知識を測定するのは午前2以降となる。
    • 午前Ⅰ受験者のうち、約1/4が合格基準まであと10点未満というところで足切りを食らってしまったとか。
    • 午前1の免除制度の有効期間は2年間である。期限が切れてしまったら、もう一度午前1から受験しなおさなければならない。
    • 問題難易度は「応用情報の午前≒高度試験の午前1」。このため、午前1対策用の参考書・問題集も応用情報と共通になっていたり、区分別のテキストだと午前1の部分のみカットされている場合も多い。
      • 技術評論社だと区分別のテキストのみで午前Ⅰについては対策法のみ簡単に書いてある(午前Ⅰの勉強をしたい人は他を当たれだとか、まずは午前Ⅰ免除者になろうだとか身も蓋もない記述がある)。応用情報・高度午前Ⅰ共通テキストになっているのはITEC。一方TACは「共通午前Ⅰ」テキストを用意している。
    • ちなみに高度試験の受験者のうち、3分の2は午前1を免除して午前2から受験している。それだけ午前1の負担は意外と大きいのである!
  4. 意外にもアルゴリズムに特化した高度区分は現在は存在しない。
    • 昔はプロダクションエンジニアという区分があったが、21世紀に入る前に廃止された。
    • 午前1、午前2試験に限り、プログラムやアルゴリズムに関して直接的に問う問題が数問出題されることはある。
    • 午後試験では、情報処理安全確保支援士ではセキュアプログラミング、エンベデッドシステムスペシャリストではタスク設計や状態遷移図など、アルゴリズムに関して間接的に問われることはある。ただし、やはりアルゴリズムに関して直接的に問うような問題はほとんど出題されない。
  5. かつてはユーザー向けの高度区分も存在した。情報セキュリティアドミニストレータ(セキュアド)と上級システムアドミニストレータ(上級シスアド)だ。
    • セキュアドは難易度を大幅に下げて、情報セキュリティマネジメント(セキュマネ)として事実上復活している。
    • 上級シスアドは論文課題があったため、ユーザー向けとは思えないくらい非常に難易度の高い試験だったとか。
  6. かつては一部の区分(システムアナリスト、プロジェクトマネージャ、システム監査技術者、上級シスアド)がスキルレベル5に指定されていたが、現在はスキルレベル4に統一されている。
  7. 情報処理系の専門学校生でネットワークスペシャリストやデータベーススペシャリストに合格できる奴はほとんどが通信制大学とのダブルスクールをしている奴。2年制の専門学校なら学年トップでも応用情報かセキュリティスペシャリストが関の山である。
  8. 高度試験のいずれかの区分(支援士を含む)に合格すると、技術士国家試験・情報工学部門の第一次試験の専門科目が免除される。
    • また、セキュリティアドミニストレータ以外の高度試験の各区分の合格者は、社会保険労務士(社労士)試験の受験資格を得ることもできる。
      • 他にも社労士の受験資格で対象外となっている高度試験があり、セキュリティスペシャリスト(情報処理安全確保支援士)とエンベデッドシステムスペシャリストが対象外である。一方で、これらの試験の前身であるテクニカルエンジニア(情報セキュリティ)とテクニカルエンジニア(エンベデッドシステム)は受験資格の対象となっている。
    • また、弁理士試験の論文式筆記試験(選択科目)の免除の対象資格でもある。
  9. 2001年(平成13年)春から2008年(平成20年)秋までは、論文がない区分(今のスペシャリスト系)とシステム管理の区分(今のITサービスマネージャ試験)はテクニカルエンジニアと呼ばれていた。
  10. 受験者の得意分野にもよるが、一般的に合格難易度はストラテジスト(アナリスト)≧監査>プロマネ>アーキテクト(アプリケーション)≒サビマネ(運用管理)>(論文の壁)>ネットワーク≧データベース≒エンベデッド>セキュリティと言われている。
    • 大雑把に言うと、「論文試験>スペシャリスト系試験(旧テクニカルエンジニア)」。ただし受験者の中にはバリバリの文系出身で文章を書くのが得意な人もおり、その場合は論文よりテクニカル系の試験のほうが難しく感じる場合もある。
    • しかしセキュリティスペシャリスト(今の情報処理安全確保支援士)が一番簡単なのは満場一致だろう。
    • 表向きはどの区分も同じスキルレベル4とされているが、実際には各区分毎の差も結構ある。
    • 2023年度からはエンベデッドシステムスペシャリストに論文試験が課されるようになったため、スペシャリスト試験の中では事実上の最難関となった。高度試験の中での難易度は、論文試験への橋渡しと考えるならシステムアーキテクトやITサービスマネージャに近いといえるか。(ただし元々特殊な区分であるため、論文試験の中でも個人差は大きいと考えられる。)
  11. 基本情報や応用情報に合格した後、高度まで目指すかベンダー資格(オラクルマスター、シスコ認定資格など)に切り替えるかは結構迷う人も多いと思う。
  12. ネットワークスペシャリスト、システムアーキテクト、システム監査技術者のいずれかの合格者は、職業訓練指導員(職業訓練施設の先生になるために必要な免許)の情報処理科の試験の受験資格を得ることができる。
    • このうちシステムアーキテクトまたはシステム監査技術者の合格者に関しては、「系基礎学科」と「専攻学科」が免除される。
  13. レベルが低い区分から順番に受験しなければならないというルールは無いため、基本情報や応用情報を飛ばしていきなり高度試験を受けても構わない。
  14. 学歴による受験の制限は無いため、小・中学生でも受験できる。
    • しかし実際には、スペシャリスト系の区分はともかく、論文系の区分は高卒や専卒の合格者はほとんどおらず、ほぼ全員が大卒以上の学歴である。
  15. 受験者および合格者はIT産業が盛んな太平洋ベルト地帯に集中しており、それ以外の地域では少ない。
  16. 基本情報や応用情報は学生のうちに取得してしまう人も少なくないが、高度試験になると有資格者が一気に減るため、学生のうちに取れたら就職活動の際は大きなアドバンテージになる。
  17. 受験料はどの区分も同じだが、情報処理安全確保支援士試験のみ非課税、それ以外の区分は消費税込みという点が異なる。
    • 確実に言えるのは、ベンダー資格よりは圧倒的に安い。
    • 難関試験である割には受験料は安く、ITパスポート試験や基本情報などと同額である。(この点が英検日商簿記などの1級と異なる)
  18. 大学受験で換算するならMARCH関関同立レベルであると言われている。
  19. 高度試験のどの区分よりも、技術士の情報工学部門の方が格上と言われている。
  20. これに合格しても独占業務は特に無い。実質的にはTOEICや日商簿記1級みたいなものだ。
    • が、中央省庁や各都道府県などの公共システムの開発・運用案件においては、入札に参加する条件として「リーダーおよび責任者が高度試験の合格者であること」が含まれている場合がある。
      • そのため、高度試験の合格者に対して高額な報奨金(資格手当)を支給する企業も少なくない。
  21. 試験時間は午前1が50分、午前2が40分、午後1が90分(1時間30分)、午後2が120分(2時間)、合計300分(5時間)である。
    • 合計の試験時間は基本情報や応用情報と同じ。(基本および応用は午前・午後それぞれ150分ずつ)
  22. 2008年度までは現在と違って午前が2つに分割されておらず、午前科目は一つだった。
    • また、2008年度まではシステムアナリスト(現・ITストラテジスト)、プロジェクトマネージャ、アプリケーションエンジニア(現・システムアーキテクト)の3区分に関しては午前は共通問題を使用していた。
      • この3区分の内のいずれかの合格者(午前のみ合格はダメ)またはソフトウェア開発技術者試験(現・応用情報技術者)の合格者は、この午前科目が2年間免除されていた。

各試験区分の噂[編集 | ソースを編集]

ネットワークスペシャリスト試験[編集 | ソースを編集]

  1. 昔はオンライン情報処理技術者試験と呼ばれていた。高度の中では比較的歴史の長い区分である。
  2. 業界ではしばしばネスペと略される。
    • テクニカルエンジニア時代はテクネと呼ばれることもあった。
  3. 覚えることがとても多いため、しばしば「論文課題が無い区分としては最難関」と言われる。
    • 実際、ネットワークセキュリティに関する問題は、情報処理安全確保支援士試験のそれより難易度が高いそうだ。
  4. テクニカルエンジニア時代は1ランク下のソフトウェア開発技術者を飛ばしてテクネを受験する人も少なくなかったとか。
    • インフラ系のエンジニアの場合、アルゴリズムやSQLが苦手だとソフ開にはなかなか合格できないため、ソフ開を飛ばした方が対策しやすかったと言われている。
  5. インフラ系のエンジニアなら電気通信主任技術者や工事担任者と並び取っておきたい資格の一つ。
  6. 試験の略号はNWで、英語名称はNetwork Specialist Examinationである。
  7. 午前2はネットワークの問題が15問程度、セキュリティが5問程度、その他の分野(コンピュータシステム、開発技術)から5問程度出題される。

データベーススペシャリスト試験[編集 | ソースを編集]

  1. 高度区分の一つ、データベーススペシャリスト試験は技術的な知識よりも国語力の勝負と言われることが多い。
  2. 民間資格のオラクルマスターとは出題傾向が異なるため、オラクル持ちでも合格するのは簡単ではない。
    • でも実務で役に立つのはオラクルマスターの方だと思う。
  3. 2019年(平成31年)度春期の午後2に出題されたパン屋の問題がかなりの強敵であったことで有名。
  4. オラクルマスターと違って飛び級受験が認められているから、時々、基本情報や応用情報を飛ばしてデータベーススペシャリスト試験に挑戦する人もいる。
  5. ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』の津崎平匡はこの試験に合格しているという設定である。
    • アニメ『ハイスクール・フリート』(はいふり)の納沙幸子ちゃんもね。
    • そのため、逃げ恥の放送直後にこの試験の受験者数が大幅に増加するという珍現象も発生した。もっとも、データベースエンジニアの需要が高まったのもあるが…。
  6. 国家試験なので、オラクルマスターのような特定のデータベース製品に特有の機能やSQLは出題されない。
  7. 試験の略号はDBで、英語名称はDatabase Specialist Examinationである。
  8. 午前2はデータベースの問題が20問程度(セキュリティに関係するものを数問程度含む)、その他の分野(コンピュータシステム、開発技術)から5問程度出題される。

エンベデッドシステムスペシャリスト試験[編集 | ソースを編集]

  1. 組み込みシステムに特化した区分で、おそらく情報処理技術者試験の中で最もマイナーな区分。
    • 受験者数は情報処理技術者試験の全区分の中で最も少ない。
    • 他の区分のテキストはあっても、エンベデッドのテキストは売っていないなんて本屋も多いのでは?
      • そのため大学受験用の数学や物理の参考書や、他の類似した資格試験電気主任技術者試験、工事担任者試験など)の参考書などを揃える必要がある。
      • ちなみに組み込みシステムに関する参考書はベテラン向けの専門書が多く、初心者でも分かりやすいようなものはとても少ない。
  2. 情報処理技術者試験としては珍しく、電子回路や電気の知識が要求される区分。
    • そのため、受験者のほとんどは大学の工学部や高等専門学校(高専)、工業高校などの出身者である。
    • モータの知識も必要だったりする。そのため、高校レベルの物理学、数学の知識も使う。
  3. 出題テーマが非常に幅広く、ドローンや自動車の自動運転システムなどの他、観光案内用ロボットやコインパーキングなどがテーマになったこともある。
  4. 昔はマイコン応用システムエンジニア試験と呼ばれていた。
  5. 試験の略号はESで、英語名称はEmbedded Systems Specialist Examinationである。
  6. 午前2は重点分野分野(ハードウェア、ソフトウェア、セキュリティなど)から20問程度(セキュリティを含む)、その他の分野(ネットワークなど)から5問程度出題される。
    • 2020年度からセキュリティが重点分野に追加された。主にIoTシステムや制御システムに関係するセキュリティについて問われる。
  7. 午後1は「ハードウェアとソフトウェアの共通問題」「ハードウェア系の問題」「ソフトウェア系の問題」の3問が出題され、その内の2問を選択して解答する。
    • 「ハードウェアとソフトウェアの共通問題」は2019年度までは問1で必須問題として出題されていたが、2020年度からは消滅した。
    • 2020年度~2022年度は、3問中2問選択。問1と問2がソフトウェア系の問題、問3がハードウェア系の問題であった。
      • 配点は、問1~問3まで各50点。
    • 2019年度までは共通問題は必須で、残り1つはハードウェアまたはソフトウェアのどちらかを選択することになっていた。
      • 配点は、問1(共通問題・必須)は40点、問2(ソフトウェア・選択)と問3(ハードウェア・選択)は各60点であった。
  8. 午後2は「ハードウェア系の問題」または「ソフトウェア系の問題」のどちらかを選んで解く。
  9. 2023年度からは午後2が論文試験に変更された。論文試験への変更については、2022年度秋期試験の合格発表の数日前に初めて告知され、2023年秋期から変更となったため、告知後猶予なしでの変更であった。
    • 2023年度試験は、スペシャリスト試験には論文試験が無いという先入観からか、午後2が論文形式に変更されたことを知らずに申し込んだ人や、試験当日に午後2の解答用紙が配られて初めて知った受験者も多かったようである。
      • IPAが合格発表後に毎回公開する得点分布によると、2023年度のエンベデッドシステムスペシャリスト試験では、午後1を通過して午後2の論文が採点された689人中、約20%にあたる142人がD評価(最低ランク)であった。これは、同時に開催されたプロジェクトマネージャ試験のD評価(2260人中259人、約11%)、システム監査技術者試験のD評価(816人中42人、約5%)と比較しても高い割合である。
  10. 論文試験の導入により、スペシャリスト試験の中では事実上の最難関となったといえる。
    • スペシャリスト試験制覇には論文試験を避けられなくなった。つまり、スペシャリスト試験制覇で高度試験に区切りをつけようと思っていた受験者でも、この試験を橋渡しとして他の論文系高度試験を受けたり、論文系制覇(全区分制覇)を目指すきっかけになるともいえる。

情報処理安全確保支援士試験[編集 | ソースを編集]

  1. 情報処理安全確保支援士は情報処理技術者の中で唯一の登録制の国家資格(免許)。
    • 元々は情報セキュリティスペシャリスト試験という高度の区分の一つだった。高度の中で唯一、年2回実施されていたということで人気が高かった。
    • 資格の維持費が高い割に独占業務が少ない、更新制度がある、などの理由で、試験に合格しても登録しない人も多いらしい。
  2. 厳密に言うと、この試験は情報処理技術者試験制度からは独立しており、高度情報処理技術者試験には含まれない。
    • 一方で、試験の難易度については高度試験と同じくスキルレベル4に設定されているため、受験者の間では高度試験の1つとして扱われることが多い。
  3. 応用情報に合格した人が次に受ける試験は、ほとんどの場合これ。
    • 他のスペシャリスト区分に比べて覚えることが少ない上に、年2回試験が実施されることから、高度の中では最も簡単と言われることが多い。しかしそれでも基本情報や応用情報と比べるとだいぶ難易度は高め。
    • 2年制の専門学校だと学年トップでもこの試験に合格するのが関の山。他のレベル4の試験はダブルスクールをしているような奴じゃなければほぼ受からない。
      • うちの専門学校(2年制)でセキュリティスペシャリストまで取った人のうちの1人は地元の国立大学を中退して専門学校に入学してきた。やはり基礎学力が高い人は資格試験にも強いのだろう。
  4. 情報セキュリティスペシャリスト試験の前身はテクニカルエンジニア(情報セキュリティ)試験。この頃は年1回しか実施されなかった上に問題の難易度も支援士やセキスペ時代より高かった。
    • 当時はテクニカルエンジニア(情報セキュリティ)がエンジニア向けのセキュリティの試験、情報セキュリティアドミニストレータがユーザー向けのセキュリティの試験と言われていた。
    • テクニカルエンジニア(情報セキュリティ)試験は2006年(平成18年)春から2008年春まで合計3回実施されていた。過去に実施された情報処理技術者試験の全ての区分の中で最も実施期間が短く、回数も少なかった区分である。
      • 英語名称はInformation Security Engineer Examination。しかし何故か略号はSVである。Vは何処から出てきたんだ…。
  5. 高度試験の中で最も簡単な区分なので、しばしばレベル3.5の試験と揶揄される。
  6. 高度の中で唯一、セキュアプログラミングに関する問題が出題される。出題されるのはC++、Java、ECMAScriptのいずれかで、基本情報と違って受験者が自分の好きな言語を選ぶことができない。
    • ただしセキュアプログラミングの問題自体は(記述式であることを除けば)基本情報のアルゴリズムやプログラミングの問題より簡単らしい。
    • 昔はPerlが出題されることもあった。
    • 幸いにも選択問題であるため、回避することも可能。むしろ未経験者は手を出さない方が無難。
  7. 情報セキュリティマネジメント試験と名前が似ているが、難易度は全く比較にならない。
  8. 試験の略号はSCで、英語名称はRegistered Information Security Specialist Examinationである。
    • Registeredは「登録された」という意味。登録制の資格に変更されてから追加された。
    • また、これとは別に、資格の略称としてRISS(Registered Information Security Specialist)が使われることもある。
  9. 2020年(令和2年)度、ついに有資格者の人口が2万人を超えた。
    • あくまで試験合格者数ではなく支援士名簿に登録した人の人数である。
  10. ネスペなどに比べて内容はやや浅いが、高度試験にしては出題範囲は広めで、データベースやマネジメント・監査などの知識も要求される。
  11. 高度試験で唯一、午前2の免除制度がある区分である。
    • 4年制の大学または専門学校(高度専門士の称号が貰えるところ)でセキュリティに関する科目の単位を一定数以上取得して卒業すると、卒業の日から2年間は支援士試験の午前2が免除される。
  12. 弁護士公認会計士などの他の士業と同様に、情報処理安全確保支援士にも徽章(バッジ)が存在する。
  13. 名前が変わってから難易度はむしろ下がった。合格率は右肩上がりである。
    • 2021年(令和3年)4月、とうとう合格率が20%を超えてしまった。これは高度試験では初めてである。
      • ただし受験者の多くは既に基本情報や応用情報に合格している(または合格レベルの実力を持った)人たちなので、依然として難関試験であることに変わりは無い。
  14. IT系では数少ない士業の一つだが、技術士情報工学部門や中小企業診断士と比べても格落ち感が否めない…。
  15. 情報処理技術者試験の全区分の中で、これだけ受験料が非課税となっている。
    • 支援士のみ免許試験、それ以外は検定試験扱いだからである。
    • ただし料金は他の区分の税込と同じ。
  16. 午前2はセキュリティの問題が15問程度、ネットワークの問題が5問程度、その他の分野(データベース、開発、サービスマネジメント・監査)から5問程度出題される。
  17. 2023年度秋期試験からは、午後1と午後2が統合され、午後試験は150分で4問中2問解答する形式となった。
    • 2023年秋期試験の結果は、受験者数14964人、合格者数3284人、合格率21.9%。

システムアーキテクト試験[編集 | ソースを編集]

  1. 1993年までは特種情報処理技術者試験、1994年から2008年まではアプリケーションエンジニア試験と呼ばれていた。
  2. 実は高度の中で最古の区分である。
  3. 昔は受験資格に年齢制限(25歳以上)があった。これは他の論文区分も同じである(区分によっては27歳以上)。
    • 現在は年齢制限は存在しない。しかしそれでも実務経験のない学生や、経験の浅い若手社員が合格するのはほぼ不可能。
  4. 特種、アプリケーション時代は午前、午後1、午後2の3部構成だった。2001年から2008年までは午前はシステムアナリスト試験やプロジェクトマネージャ試験との共通問題が出題されていた。
    • ソフトウェア開発技術者試験の合格者はアナリスト、プロマネ、アプリケーションの午前が2年間免除される特典があった。
  5. 論文系の区分の中で最も簡単なので、受験者はこの区分が論文系で最初に挑戦する区分となる場合が多い。
  6. アーキテクトとは設計者という意味。その名の通り、主に開発・設計部門のリーダーが受験する。
  7. 試験の略号はSAで、英語名称はSystems Architect Examinationである。
    • アプリケーションエンジニア時代はApplication Systems Engineer Examination(略号AE)だった。
    • 特種情報処理技術者試験時代の英語名称はSystems Engineer Examinationだった。当時の二種と一種がプログラマー向けの資格だったのに対し、特種がシステムエンジニアの資格だったからである。
  8. 午前2はシステム開発に関する問題が20問程度(セキュリティに関係するものを数問程度含む)、その他の分野(データベース、ネットワーク、システム戦略など)から5問程度出題される。

プロジェクトマネージャ試験[編集 | ソースを編集]

  1. 1994年から試験が実施されているが、一度も試験名称が変更されていない区分である。
  2. 2008年まではスキルレベル5だった。
    • ヒエラルキー的にはシステムアーキテクト(旧アプリケーションエンジニア)よりは格上、ITストラテジスト(旧システムアナリスト)よりはやや格下という位置付けである。
  3. その名の通り、プロジェクトマネジメントに特化した試験である。ITストラテジスト同様、技術要素は控えめ。
  4. 試験の略号はPMで、英語名称はProject Manager Examinationである。
  5. PMPとは全く別の資格。
  6. 公共系のシステム開発案件だと、「責任者がPMの合格者であること」が入札条件に含まれていることも多い。
  7. 午前2はプロジェクトマネジメントの問題が15問程度、セキュリティが3問程度、その他の分野(開発技術、サービスマネジメントなど)から7問程度出題される。

ITストラテジスト試験[編集 | ソースを編集]

  1. その名の通り、ストラテジの専門家のための試験である。
    • 技術的な要素が控えめな代わりに、経営戦略や企業活動についてかなり深い知識が要求される。
    • 主に所謂ITコンサルタントと呼ばれる人たちがこの資格を持っていることが多い。
  2. 昔はシステムアナリスト試験と呼ばれていた。
  3. 一般的には情報処理系の最難関資格といわれる。
    • しかしそうでもないという人もいる。文系の人にとってはネットワークや組み込みなどのスペシャリスト系試験の方が難しいらしい。
    • 正直、技術士の情報工学部門の方が難しいと思う。
  4. IT資格の最難関と言われることが多いが、システムアナリスト時代と比べるとだいぶ難易度は下がっている。
    • 合格率もアナリスト時代は1桁台だったが、ITストラテジストになってからは10%を超える。
  5. この試験の合格者は、厚生労働大臣によって高度な専門知識を持つ労働者であると認められる。IT系の資格ではITストラテジスト(旧システムアナリスト)と技術士だけが高度専門職扱いである。
    • すなわち、弁護士、公認会計士、不動産鑑定士、医師、一級建築士、技術士、博士号、アクチュアリーなどと同じ扱いになる。
  6. 試験の略号はSTで、英語名称はInformation Technology Strategist Examinationである。
    • システムアナリスト時代はSystems Analyst Examinationで、略号はANだった。
  7. 午前2は経営戦略を中心としたストラテジ系の問題が大部分を占めるが、セキュリティの問題も3問程度出題される。

ITサービスマネージャ試験[編集 | ソースを編集]

  1. 昔はシステム運用管理エンジニア試験と呼ばれていた。
    • テクニカルエンジニア時代は論文系で唯一、テクニカルエンジニアを名乗っていた区分だった。
  2. 試験の略号はSMで、英語名称はInformation Technology Service Manager Examinationである。
    • システム運用管理エンジニア時代はSystems Operation Management Engineer Examination、テクニカルエンジニア時代はSystems Management Engineer Examinationだったが、略号はSMのまま変わっていない。
  3. 論文系の区分ではあるが、合格しても中小企業診断士試験の科目免除の対象にはならない。(ただし弁理士試験の科目免除の対象にはなっている。)
  4. 午前2はサービスマネジメントの問題が10問以上、プロジェクトマネジメントの問題が数問程度、セキュリティの問題が数問程度、その他の分野(データベース、ネットワーク、監査など)から5問程度出題される。

システム監査技術者試験[編集 | ソースを編集]

  1. 前身の試験まで遡れば1986年(昭和61年)から実施されており、高度試験の中でも歴史のある区分である。
  2. 2000年(平成12年)までは年齢制限があり、27歳になるまで受験することができなかった。
    • 今では年齢制限こそ撤廃されたものの、実務経験をもとにした論文を書かなくてはならないため、学生の合格はほぼ不可能である。
  3. しばしばITストラテジスト試験と並び最難関の区分と称される。かつてはスキルレベル5指定だった。
  4. 試験の略号はAUで、英語名称はSystems Auditor Examinationである。
    • Auditorは「監査人」という意味。
  5. 午前2はシステム監査の問題が10問以上、法務の問題が数問程度、セキュリティの問題が数問程度、その他の分野(データベース、ネットワーク、経営戦略・企業活動など)から5問程度出題される。

過去の試験区分[編集 | ソースを編集]

情報セキュリティアドミニストレータ試験[編集 | ソースを編集]

  1. 通称セキュアド。平成13年(2001年)秋から平成20年(2008年)秋まで実施されていた。
  2. ユーザー向けのセキュリティの試験である。
    • エンジニア向けのセキュリティの試験である春実施のテクニカルエンジニア(情報セキュリティ)の対極にあたる存在だった。
    • ポジション的には今の情報セキュリティマネジメント試験(セキュマネ)の前身にあたる試験だったが、難易度はセキュアドの方が遥かに高かったと言われている。
      • セキュマネは年2回実施で午後はマークシート方式。一方、セキュアドは年1回実施で午後が記述式(しかも午後は2分割)だったため。
  3. 略号はSUで、英語名称はInformation Systems Security Administrator Examination。
    • 初期は略号SSだったが、テクニカルエンジニア(情報セキュリティ)が登場したから略号が変更された。
  4. 当時、高度試験の中では最も簡単と言われていた。
  5. 高度試験で唯一、午後2の試験時間が他より短かったことで有名。
    • 他の区分は120分だが、セキュアドのみ90分だった。

上級システムアドミニストレータ試験[編集 | ソースを編集]

  1. 通称上級シスアド。平成8年(1996年)秋から平成20年(2008年)秋まで実施されていた。
  2. ユーザー向けの区分とは思えないほど難易度は高く、エンジニア向けの基本情報技術者試験やソフトウェア開発技術者試験(今の応用情報の前身)よりも遥かに難関だった。
  3. ユーザー向けの区分の中で唯一スキルレベル5に指定されており、システムアナリスト、プロジェクトマネージャ、システム監査技術者と肩を並べる存在だった。
    • 論文課題もあった。
    • しかし合格しても中小企業診断士試験の科目免除制度は使えなかった。(弁理士試験の科目免除制度は使えた。)
  4. 試験の略号はSDで、英語名称はSenior Systems Administrator Examination。
  5. 試験区分としては廃止されたが、出題範囲の一部はITストラテジスト試験(旧・システムアナリスト試験)に吸収されている。

関連項目[編集 | ソースを編集]

外部リンク[編集 | ソースを編集]

資格試験検定試験
資格試験 技術系 | 医療・福祉・衛生系 | 食品系 | 法学・経済・不動産系 | 交通系

電験 | 危険物取扱者 | 衛生管理者 | 宅建 | FP検定 | 司法試験 | 税理士試験
キャリコン | 管理栄養士 | 公認会計士 | 運転免許証(種類別)
証券外務員 | アクチュアリー | AFP・CFP

情報処理技術者試験(IPA) ITパスポート | セキュマネ | 基本(出題内容|分野別) | 応用 | 高度
簿記検定 日商簿記(社会的評価)
パソコン検定(パソコン検定/公的試験) MOS | オラクルマスター | Cisco
英語検定 実用英検 | TOEIC
偽モノの特徴 偽情報処理技術者試験 | 偽日商簿記
もしwiki もし情報処理技術者試験が○○だったら

もし日商簿記検定が○○だったら
もし運転免許証が○○だったら

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関連資格 情報処理技術者試験ITパスポートセキュマネ基本/出題内容/分野別応用高度) | MOS | オラクルマスター | Cisco
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