パソコン検定/公的試験

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全般[編集 | ソースを編集]

  1. 中央省庁や商工会議所の認定資格はここに分類される。
  2. 間違っても準国家資格などと思ってはいけない。
    • 民間資格に毛が生えた程度と考えるべし。
      • というか公的検定と民間検定の定義は結構曖昧です…。
    • ただしITコーディネータ(ITC)だけは社会的評価はなかなか高い。
  3. 日本の公的資格は地味なものが多いが、海外の公的資格の中には日本の下手な国家資格よりも評価が高いものもある。

情報検定[編集 | ソースを編集]

  1. 通称「J検」。文部科学省後援の情報処理に関する検定試験。
  2. 情報活用試験、情報システム試験、情報デザイン試験の3つの部門がある。
    • 情報活用試験と情報デザイン試験が主に一般ユーザー向け、情報システム試験は主にエンジニア向けの部門である。
  3. 情報活用試験は1級でも難易度はあまり高くなく、ITパスポート試験と同じくらいである。
    • 情報活用試験3級に至っては少しでもパソコンを操作したことのある人ならば一夜漬けでも合格できてしまうほど簡単である。
  4. IT系の専門学校や商業高校、工業高校の情報学科だと国家資格の基本情報技術者試験の前哨戦として情報システム試験を受験するところも多い。
    • ただし商業高校生向けの検定試験としては他にも全商情報処理検定ってのがあるし、工業高校生向けの情報技術検定ってのも別にあるから、専門学校以外ではあまりメジャーな試験とは言えない。
  5. ぶっちゃけ情報処理技術者試験の完全下位互換。履歴書に書いても就職・転職はさほど有利にはならない。あくまで国家資格の前哨戦のつもりで受験しよう。
    • IT系の専門学校ではJ検の受験が推奨されているし、文部科学省のお墨付きでもあるので知名度自体は高いのだが。
  6. 昔は情報処理活用能力検定試験(旧J検)という名前だった。文部科学省認定の資格であり、公的な評価も今よりずっと高かった。
    • 旧J検の1級は基本情報技術者試験よりも難易度が高かったと言われている。旧J検2級が今の情報システム試験に、旧J検準2級が今の情報活用試験1級に、旧J検3級が今の情報活用試験2級に相当する。
    • 今のJ検はあくまで文部科学省「後援」の民間検定試験である。
  7. 試験を実施しているのは職業教育・キャリア教育財団という一般財団法人である。
    • かつては財団法人専修学校教育振興会と呼ばれており、その名の通り、専門学校のための組織だった。
    • ちなみにこの団体はビジネス能力検定ジョブパス(B検)という試験も実施している。
  8. ITパスポートや基本情報、MOSなどと違ってマイナーな試験であるため、J検の参考書や問題集が置いてある書店はほとんど存在しない。
  9. 合格者には無料で合格証(カード)が配られる。ただし万が一紛失してしまっても再発行は無い。
    • これとは別に有料の合格証書(賞状)や合格証明書もあるので、万が一カードを失くしてしまった方はお買い求めください。
  10. 個人で受験する場合は全てCBT方式(ITパスポートなどと同じ方式)になる。
    • 専門学校などの団体受験の場合のみマークシートのペーパー試験が認められている。
  11. 部門、級、科目を問わず、解答形式は全て多肢選択式である。
    • 記述問題は無い。
  12. これに合格することで入学試験(推薦、AO)で優遇してくれる大学もあるらしい。
    • が、国公立大学や有名私立大学は殆ど無く、Fランク大学ばかり。しかも英検やTOEIC、日商簿記などのように具体的に「○級以上の合格で○点加点する」などの具体的な記載は少なく、優遇措置と言っても「参考程度に評価する」「自己アピールの一つとして評価する」程度の記載であることが多い…。
    • また、合格者を単位認定の対象としている大学や短期大学もある。

情報活用試験[編集 | ソースを編集]

  1. 1級はしばしばITパスポート試験(iパス)と同じくらいの難易度と言われるほどがあるが、出題範囲が狭いのでぶっちゃけiパスより簡単。合格率もiパスの方が低い。
    • しかし表計算ソフトの問題だけは情報活用試験1級の方が詳しい。
  2. ストラテジ(経営戦略や企業活動などのビジネス分野)やプロジェクトマネジメントの問題は2級には出題されるが、1級には出題されないので、時々、2級の方が難しいという人がいる。
    • しかし逆にネットワークやセキュリティの問題は明らかに1級の方が難しい。
  3. 3級に合格すると日商PC検定の3級の知識科目が、2級および1級に合格すると日商PC検定の2級の知識科目が免除される。
  4. 上にも書いたけど、この試験の3級はマジで簡単過ぎる…。パソコン検定全体で見ても最も簡単な部類だと思う…。
    • 個人的には英検3級よりも簡単に感じました。(冗談抜きで)
  5. 情報活用試験1級を全国トップの成績で合格した人には、英検などと同様に文部科学大臣賞が贈られる。
    • ただし英検などと違って1級でも難易度は高くは無いので、満点合格じゃなければほぼ無理と思って良い。
  6. 各級の実施される時間帯が異なるため、併願が可能である。
    • 多いのは「1級と2級の併願」と「2級と3級の併願」である。
  7. 表計算ソフトは1級と2級で出題される。
    • 3級では表計算は出題されないが、代わりにワープロソフトや電子メールソフトの問題が出題される。

情報システム試験[編集 | ソースを編集]

  1. 基本スキル、システムデザイン(SD)スキル、プログラミング(PG)スキルの3科目が用意されており、科目単位で受験することができる。
    • 各科目ごとに合格証が存在するが、基本スキルとSDスキルに合格するとシステムエンジニア(SE)認定の称号が、基本スキルとPGスキルに合格するとプログラマ(PG)認定の称号が貰える。
      • 認定証GETが目的の場合、科目合格制度は1年間有効だが、期限が切れてしまうと免除されなくなってしまう。
  2. 問題の難易度自体は基本情報技術者試験の午後の部と同じくらいなのだが、基本情報は全ての出題範囲の内容をいっぺんに勉強しなければならないのに対し、情報システム試験は科目毎に対策ができるのでずっと対策しやすい。そのため基本情報の前哨戦としてはオススメである。
    • 情報活用試験1級よりは難しい。
    • 基本スキルでは主にプロジェクトマネジメント、ハードウェア、ソフトウェアの問題が出題される。
    • システムデザインスキルでは主にストラテジ、開発技術、ネットワーク、データベース、セキュリティが出題される。
    • プログラミングスキルでは「データ構造とアルゴリズム」「擬似言語」の他、選択問題としてプログラミングの問題もある。
      • 選択問題はC言語、アセンブラ(CASL)、表計算ソフトのいずれかを選択する。表計算はマクロもある。
  3. 基本スキルは他の科目に比べて制限時間が短い。基本スキルのみ60分。他の科目は90分である。
  4. こちらも最優秀の成績で合格した人には文部科学大臣賞が贈られる。
  5. 公式サイトではエンジニア向けの資格とされているが、現実にはこれの完全上位互換である基本情報技術者が新人のエンジニア向けの資格である(その基本情報ですら、「新人の」エンジニアのための資格である)。
    • つまり、この資格は新人レベルにすら達していないということである…。まあ上に書いたように基本情報の前哨戦としてはとても良い試験だとは思うけどね。

情報デザイン試験[編集 | ソースを編集]

  1. Webデザイナー向けの試験と謳われているが、実際に出題されるのは初心者レベルのデザイン、表現の内容である。
  2. 初級と上級があるが、上級もそれほど難しくはない。
  3. 2009年前期までは試験形式が今と異なっていた。かつては共通科目、ビジュアルデザイン、インタラクティブメディアデザイン、プレゼンテーションデザインの4科目が課されていた。このうち共通科目は必須だった。

日本商工会議所主催[編集 | ソースを編集]

日商PC検定試験[編集 | ソースを編集]

  1. 簿記などで有名な日本商工会議所の認定試験。
  2. 知識科目と実技科目があり、前者はITパスポート試験のようなコンピュータの基礎知識を問う試験、後者はMOSのように実際にパソコンを操作してスキルを測定する試験である。
    • 実はJ検の情報活用試験の合格者は知識科目が免除になる特典がある。
      • ただし日商PC1級は対象外である。
  3. 商工会議所主催なだけあって、パソコン検定の中では比較的ブランド力が高い。
    • 難易度も結構高めの部類に入る。
  4. 他のパソコン検定に比べて実務を意識した内容になっている。基本的な操作スキルを重視したMOSとの違いである。
  5. 公式サイトの受験会場リストはパソコン教室との抱き合わせがほとんどで、個人でネット上からいきなり申し込める会場を探すのに難儀する。都民なら秋葉原がオススメ

キータッチ2000テスト[編集 | ソースを編集]

  1. 日本商工会議所が実施する、初心者向けのタイピングの試験。
  2. 試験時間は10分間で、その前に練習時間が5分間用意されている。
  3. 試験問題には英字(ローマ字)、数字、記号が満遍なく含まれている。
    • ビジネスキーボードと異なり、変換機能は使わない。
  4. ビジネスキーボードと異なりミスによる減点はないため、途中でミスしてもタイピングの速さでカバーできればOK。
  5. 普段かな入力を使用している人だと苦戦必至。
  6. TOEICと同様に合格、不合格の概念は無いが、2000文字全て打てればゴールドホルダーの称号が獲得できる。
    • ゴールドホルダーを獲得するためにはブラインドタッチができるようになる必要がある。

ビジネスキーボード認定試験[編集 | ソースを編集]

  1. 日本商工会議所が実施する、中・上級者向けのタイピングの試験。
  2. キータッチ2000と異なり、「日本語」「英語」「数字」の独立した3種目がある。それぞれ成績によってS・A・B・C・Dの5段階で評価される。
  3. 日本語はIMEを使うので、ローマ字だけでなくかな入力も認められる。
  4. キータッチ2000と違って、ミスによる減点がある。
    • そのため、S評価を得るためには1回もミスしないことが必要になる。
  5. 3種目全てでS評価を獲得すると、ビジネスキーボードマスターの称号が貰える。これはかなり難易度が高い。

日商プログラミング検定[編集 | ソースを編集]

  1. 日本商工会議所が認定するプログラミングの試験。
  2. エキスパート、スタンダード、ベーシック、エントリーの4つの級がある。エキスパートが一番難しくて、エントリーが一番簡単。
  3. エントリー級では教育用言語であるScratchを用いた基礎的な思考力が問われる。
  4. ベーシック級では基本的なアルゴリズムの知識が問われる。
  5. エキスパート級とスタンダード級では基本情報技術者試験と同様に、受験者がプログラミング言語を選択する。
    • C言語、Java、VBA、Pythonから選択する。(Pythonは2020年秋から追加)

PAT認定試験[編集 | ソースを編集]

  1. 昔はパソコン認定試験と言っていた。
  2. 1級〜3級がある。
    • 1級と2級の間に準1級がある。
  3. 正式名称はパーソナルコンピュータ利用技術認定試験。その前はマイクロコンピュータ利用者認定試験と言っていた。
  4. かつて実施されていた大学入学資格検定(今の高等学校卒業程度認定試験の前身)では、情報関係基礎科目の免除対象となっていた。
  5. 通商産業省(今の経済産業省)所管の社団法人パーソナルコンピュータユーザ利用技術協会(PCUA)が試験を実施していたが、この団体が解散してしまったため、現在は実際されていない。

コンピュータサービス技能評価試験[編集 | ソースを編集]

  1. CS試験とも呼ばれる、厚生労働省認定のパソコン検定。特別民間法人中央職業能力開発協会(JAVADA)が試験を実施している。
    • ちなみにJAVADAはどちらかと言えば、ビジネス・キャリア検定試験の実施団体であることの方が有名かもしれない…。
  2. MOSに比べて受験料が安いことから、主に職業訓練施設の生徒が受験する。
  3. 部門はワープロ、表計算、情報セキュリティの3種類がある。ワープロ部門と表計算部門は1級、2級、3級がある。
    • ワープロ部門と表計算部門は実技試験で、1級のみ筆記試験も課される。
    • 情報セキュリティ部門は国家試験の情報セキュリティマネジメント試験や情報処理安全確保支援士(セキュリティスペシャリスト)試験よりは難易度が低い。
    • 合格者はそれぞれ「~級ワープロ技士」「~級表計算技士」「情報セキュリティ技士」と呼ばれる。
    • かつてはデータベース部門、オフィスドキュメント部門、PCドライビング部門もあったが、受験者の減少で廃止された。

サーティファイ主催[編集 | ソースを編集]

情報処理技術者能力認定試験[編集 | ソースを編集]

  1. サーティファイという会社が実施している検定試験で、主にIT系の専門学校生が受験する。
    • このサーティファイという会社は、新潟福島で専門学校を運営しているNSGグループの関連企業であり、この情報処理技術者能力認定試験の他にも、C言語プログラミング能力認定試験やJavaプログラミング能力認定試験、Excel表計算処理技能認定試験なども実施している。
  2. 国家資格の情報処理技術者試験と紛らわしいため、サーティファイ情報処理検定と呼ばれて区別されている。
  3. 1級、2級、3級がある。3級は4択問題のみ、2級以上は第一部と第二部がある。
    • 第一部は4択問題、第二部は長文問題である。それぞれ基本情報技術者試験(FE)の午前と午後に近い形式である。
      • 2級には科目合格制度があるが、1級にはない。1級は第一部と第二部を両方同時に合格する必要がある。
  4. 2級の第一部に合格して講座を受講すると、修了試験に合格した後に、基本情報の午前の部が免除される特典がある。
    • だから2級は基本情報の前哨戦としてオススメである。
  5. 1級の問題はしばしば基本情報より難しいと言われるが、だったら最初から基本情報に挑戦したほうが絶対お得である。1級は知名度が低いから。
  6. 最も人気があるのは2級である。これは専門学校生が基本情報技術者試験の前哨戦として2級を受けるからである。
    • 2級はFEの午前対策として、1級はFEの午後対策として受ける人が多い。
    • 逆に言えばそれ以外の目的でこの資格を取るメリットは薄い。
  7. 公開試験と団体受験がある。
    • 公開試験は1月、6月、9月の年3回実施される。(ただし1級は1月と9月のみ実施)
    • 団体受験は大学や短期大学、専門学校などが申し込むもの。こちらは試験日時と会場を個別に設定できる。

C言語プログラミング能力認定試験[編集 | ソースを編集]

  1. サーティファイが実施する、C言語のプログラミング検定。
  2. 解答形式は1級とそれ以外(2級、3級)で大きく異なる。
    • 2級以下はマークシート方式の筆記試験。
    • 1級はパソコンを使用した実技試験であり、基本情報技術者試験の午後の部と異なり、実際にプログラムを作成する形式である。
      • はっきり言って、基本情報技術者試験にギリギリで合格する程度の実力では、サーティファイC言語1級には全く太刀打ちできない。
  3. 資格自体の価値は高くないが、実践的なプログラミングスキルを身に付けるためには勉強しておいて損はない。

全国工業高等学校長協会主催[編集 | ソースを編集]

情報技術検定[編集 | ソースを編集]

  1. 主に工業高校生が受ける情報処理の検定試験。
    • 全国工業高等学校長協会という公益社団法人が主催している。
      • なお全工協会は他にもパソコン利用技術検定、計算技術検定、基礎製図検定、機械製図検定なども実施している。
  2. 情報科や電子科の生徒が受けるイメージが強いが、最近では他の学科の生徒も受けるようになった。
    • 情報技術基礎という科目を全ての学科で履修するようになったからである。
  3. 1級、2級、3級がある。
    • 2級以下は情報技術基礎の授業を真面目に受けていれば合格できるレベル。
      • プログラミングの問題はBASICまたはC言語のどちらかを選択して解答する。
  4. 1級だけ飛び抜けて難しい。国家資格のITパスポート試験より難しく、基本情報技術者試験に並ぶレベルである。合格率だけ見るならむしろ基本情報より低いくらいである。
    • 1級はハードウェアとプログラミングの2科目それぞれに足切りが定められている。
      • 試験時間はハードウェア、プログラミングそれぞれ50分ずつであり、合計100分である。検定試験としては長丁場になる。
        • しかし基本情報の午後は150分なので、それに比べたらこれでもだいぶ短い。
    • しかしその割に知名度・社会的評価は低いので、この検定の1級に合格できる実力があるならそのまま基本情報を受けた方が良いと思う。
  5. 1級で(200点満点中)190点以上取った者には、通常の合格証書の他に、特別表彰状と記念の楯が授与される。
    • これは一回の試験で各都道府県に1人いるかいないかくらいの栄誉である。
  6. ジュニアマイスター顕彰制度では、特別表彰者には20ポイントが、1級合格者には12ポイントが、2級合格者には4ポイントが、3級合格者には2ポイントが付与される。
    • ちなみに基本情報は20ポイント、ITパスポートは12ポイント。
    • 逆に言えばこのジュニアマイスター制度での点数稼ぎ以外には取るメリットが薄い。

パソコン利用技術検定[編集 | ソースを編集]

  1. 情報技術検定と同じ全工協会の認定試験。
  2. 3級はワープロ、2級は表計算、1級はデータベースが出題される。

全商情報処理検定[編集 | ソースを編集]

  1. 商業高校生向けの試験だが、一般人も受験可能である。
    • この試験の主催者は全国商業高等学校協会という公益財団法人。簿記実務検定(全商簿記)などを実施している団体として有名で、この団体が実施しているパソコン検定は他にもビジネス文書検定がある。
      • なお昔はワープロ実務検定やパソコン入力スピード認定試験なんてのもあったが、ビジネス文書検定に吸収されてしまった。
  2. 3級はビジネス情報部門のみ。2級および1級にはプログラミング部門もある。
  3. プログラミング部門はJavaまたはマクロ言語を選択して解答する。
    • 2022年度からはマクロのみになる。
    • かつてはVB、COBOLもあった。
  4. ビジネス情報部門では表計算も課される。2級以上はさらにデータベースの問題もある。

CG-ARTS検定[編集 | ソースを編集]

  1. 一つの試験ではなく、画像情報教育振興(CG-ARTS)協会が実施している複数の検定試験の総称である。
    • マルチメディア検定、CGエンジニア検定、画像処理エンジニア検定、CGクリエイター検定(ディジタル映像)、Webデザイナー検定の5種類がある。
  2. 2005年前期までは画像情報技能検定という名前であり、それぞれマルチメディア部門、CG部門(今のCGエンジニア検定の前身)、画像処理部門に分かれていた。
    • CGクリエイター検定、Webデザイナー検定は2005年後期に新設されたものである。
  3. 文部科学省「後援」の検定試験である。(2005年前期までは「認定」だった)
  4. 2010年以降はそれぞれの検定試験にエキスパート級(旧2級)とベーシック級(旧3級)が設定されている。
    • 旧試験における1級相当の試験は現在は実施されていない。

ITコーディネータ試験[編集 | ソースを編集]

  1. ITと企業経営の両方の知識を併せ持つ、IT戦略の専門家のための資格試験。
    • 試験は特定非営利活動法人ITコーディネータ協会が主催している。
    • また、ITコーディネーターという言葉自体が「IT戦略の専門家」を意味する場合もある。
    • 略称はITC(Information Technology Coordinator)。
    • この資格を持っている経営コンサルタントも多い。
  2. 国家資格ではないが、経済産業省推進資格となっており、公的資格ではある。
    • ITスキル標準(ITSS)ではスキルレベル4相当(高度情報処理技術者試験と同格)位置付けられており、基本情報技術者や応用情報技術者よりも格上という扱いである。
    • 独占業務こそ無いものの、ITCの資格を持っていない者がITコーディネータを名乗ると、商標権の侵害と見做されてしまう場合があるため、事実上の名称独占資格である。
  3. ITC資格の認定のためには、「ITC試験の合格」と「ケース研修の受講・修了」の2つの条件を両方満たす必要がある。
  4. ITC試験では必須問題60問と選択問題40問が課される。解答形式は多肢選択式である。
    • 特定の国家資格等を持っている人は、選択問題が免除される。
      • 具体的には公認会計士税理士中小企業診断士弁護士弁理士社会保険労務士行政書士、高度情報処理技術者などである。
      • 技術士の一部の部門(経営工学、情報工学、総合技術監理のいずれか)の有資格者も免除の対象になる。
        • 技術士補はダメ。
      • ITパスポート試験で750点以上獲得して合格した人も選択問題が免除される。
        • 通常合格(600点以上)ではダメ。
      • 経営学修士(MBA)、経営学博士、技術経営修士(MOT)、技術経営学博士も対象資格である。
      • 民間資格だと、プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル(PMP)試験や日本商工会議所の販売士検定1級の合格者も選択問題免除の対象者に含まれる。
        • 販売士は2級や3級ではダメ。
  5. ケース研修では集合研修6日間とeラーニングによる個人学習が課される。
    • かつては集合研修15日だった。
  6. 有資格者の大部分は東京神奈川などの首都圏在住者である。
    • また、性別で見れば男性が圧倒的に多く、女性は非常に少ない。
  7. 日本国内向けのIT資格としては珍しく、更新が必要である。(これ以外だと情報処理安全確保支援士くらい?)
    • ITCでは毎年度の4月に更新が必要になる。
      • これは3月に資格を取得した場合でも例外ではない。

情報処理能力検定[編集 | ソースを編集]

  1. 簿記能力検定で有名な全国経理教育協会の認定試験。
    • 元々は情報処理能力検定と呼ばれていた。
  2. 1級から3級までがあった。
    • 1級が国家資格の基本情報技術者や初級システムアドミニストレータに近いレベルだったらしい。
  3. プログラミングの問題もあった。
  4. 後に内容を大幅に変更しIT活用能力検定に名称変更。その後、2013年2月を最後に廃止されてしまった。

海外[編集 | ソースを編集]

  1. 公的な資格であるが故に特定の企業を贔屓することが出来ず、あくまで普遍的な知識やスキルが問われる。
    • そのため、ベンダーニュートラルと呼ばれる。(ニュートラルは「中立」という意味である)

ITILファンデーション[編集 | ソースを編集]

  1. ITサービスマネジメントに関するガイドラインであるITIL(アイティル)についての基礎知識を問う認定試験。
  2. イギリス政府公認の資格であり、世界中で通用する資格となっている。
  3. 英語をはじめとする25言語で試験を実施しており、日本語版の試験もある。
  4. 解答方式は4択で問題数は全部で40問。26問以上正解できれば合格。
  5. 受験料は非常に高額で、4万円を超える。
  6. あくまで入門編の資格であるため、合格難易度は高くは無い。
  7. より上位のITILの資格として、中級者向けのインターメディエイト、上級者向けのエキスパート、最上位のマスターがある。
    • なお飛び級受験は認められていない。

Linux Professional Institute Certification[編集 | ソースを編集]

  1. LPIC(エルピック)と呼ばれる、世界最大のLinuxエンジニアのための認定資格。
  2. ベンダーニュートラル資格の一つ。
  3. 受験料が高いのはベンダー資格と同じ。
  4. レベル1、レベル2、レベル3がある。
  5. レベル3はインフラ系の資格の中でも人気、社会的評価がかなり高い。
    • 官公庁のサーバ構築案件、システム運用管理案件への入札条件で、「運用を担当する技術者は(IPAのネットワークスペシャリスト試験または)LPICレベル3の合格者であること」というのがあったりすることも。
  6. この資格を認定しているLPIの本拠地はカナダにある。
  7. 資格の有効期間は5年間である。資格を維持するためには再度試験を受けて合格しなければならない。

Project Management Professional[編集 | ソースを編集]

  1. PMPとも呼ばれる、アメリカの非営利団体であるプロジェクトマネジメント協会(PMI)の認定資格。
  2. プロジェクトマネジメントのガイドラインであるPMBOK(ピンボック)について出題されるが、PMBOKの内容を丸暗記すれば合格できるような易しい試験では無く、PMBOKの本質を理解していなければ合格できない試験である。
  3. ペーパー試験では無く、CBTによる試験である。
  4. 試験は3セットに分けて行われる。
    • セットの合間に途中2回休憩することができる。
  5. 2020年までは4択問題のみだったが、2021年から多肢選択問題、複数回答問題、マッチング問題、ホットスポット問題、さらに記述による穴埋め問題が追加された。
    • マッチング問題とは、ドラッグ&ドロップで正しい解答を選択・所定の場所に移動させる問題のこと。
    • ホットスポット問題とは、グラフや表の空欄のデータポイントを計算し、その中から正解をひとつ選択したり、正解をテキストボックスに入力したりする問題のこと。
  6. プロジェクトマネージャ試験とは全く別の資格。
    • ちなみにPMP試験の合格難易度は応用情報よりは高く、プロジェクトマネージャ試験よりは低いと言われている。
  7. 受験資格を得るのがダルい。
    • プロジェクトマネジメントに関する実務経験(大卒者は3年以上かつ4500時間以上、高卒者は5年以上かつ7500時間以上)に加え、PMP試験を受験する前に予めPMIが認定した講座(35時間以上)を修了している必要がある。
  8. 官公庁などのシステム開発案件への入札条件として、受注者側の企業に「受注側の責任者は(IPAのプロジェクトマネージャ試験または)PMP試験の合格者であること」が課せられていることも多い。
    • そのため、並の国家資格(基本情報技術者など)よりも価値が高いと言える。
  9. 資格の有効期間は3年間である。資格を更新するためには期限までに研修などでプロジェクトマネジメントに関する勉強をして、PDUという単位を60ポイント以上取得しなければならない。
    • 期限までに60ポイント以上取得できなかった場合は1年間PMP資格が停止される(資格保有者を名乗れなくなる)が、あくまで剥奪では無く猶予期間であり、その間に過去の3年間と合わせて60ポイント以上取得できればPMP資格が復活する。
      • 取得できなかった場合はPMP資格自体が消滅してしまう。

CompTIA[編集 | ソースを編集]

  1. コンプティアという、アメリカの非営利団体の認定資格である。
    • アメリカカナダだけで無くヨーロッパオーストラリア日本などにも支部があり、世界的に有名なIT業界団体の一つである。
      • なおコンプティアはこの団体そのものを指すことも、この団体が認定する資格のことを指すこともある。
  2. 沢山の種類の試験が存在する。
    • ネットワークやクラウドサービス、セキュリティに関するものが多いが、ハードウェアやプロジェクトマネジメントに関する資格もある。
    • 各試験毎に難易度の程度は様々で、基本情報技術者試験レベルの比較的簡単なものから、ネットワークスペシャリスト試験に匹敵する超難関試験まで存在する。
  3. コンプティア自体は民間の団体なのだが、アメリカ国防総省(日本でいう防衛省に相当する)の公認を受けており、非常に信用度の高い団体・資格である。
    • また、アメリカ国防総省ではITにかかわっている全ての職員に対し、コンプティアの資格の取得を義務付けている。
  4. 更新が必要な資格も一部存在する。
    • 3年毎に研修への参加や実務経験などによる更新が必要になる。
  5. コンプティアの認定試験の部門の一つであるIT FundamentalsはIT初心者向けの試験であり、エンジニア向けの資格では無い。
    • IPAのITパスポートと同じような扱いである。
    • なおこれに関しては一度取得すれば更新の必要は無い。

Certified Information Systems Security Professional[編集 | ソースを編集]

  1. アメリカの非営利団体International Information System Security Certification Consortium(通称(ISC)2)が認定しているサイバーセキュリティのスペシャリストのための資格。
  2. アメリカ国防総省およびアメリカ国家安全保障局では、全ての職員に対してCISSPの取得が義務付けられている。
  3. 資格の認定のためには試験合格だけで無く、セキュリティに関する5年(条件によっては4年)以上の実務経験が必要である。
  4. 資格には有効期限(3年間)があるため、更新が必要である。
  5. 資格保有者はアメリカが圧倒的に多く、9万人以上いる。
    • 他の国はアメリカに次いで取得者が多いイギリス、カナダですら1万人に満たない。

JSTQB認定テスト技術者資格[編集 | ソースを編集]

  1. 数あるエンジニア資格の中でも、ソフトウェアテストに関わるものの一つである。
    • そもそもソフトウェアテストとは、作ったソフトウェアがコンピュータ上で正しく動作するか、十分な品質要件を満たしているか、プログラムの仕様に無い動作をしないかなどを確認するテストである。
      • また、テスト中に見つかった欠陥(所謂バグ)を修正する作業のことをデバッグという。
  2. 一般レベルのFoundation Levelと、上級レベルのAdvance Levelがある。
    • Advance Levelは既にFoundation Levelに合格している人しか受けられない。
  3. Foundation Levelではテストの基礎知識、ソフトウェアライフサイクル、静的技法、テスト設計方法、テストのマネジメント、テスト支援ツールなどについて問われる。
  4. Advance Levelは主にリーダー格のエンジニアや責任者が受験する。
    • Advance Levelはさらにテストマネージャー、テストアナリスト、テクニカルテストアナリストの3部門に分かれている。
  5. 参考書は書店で買うことも出来るが、公式サイトにもシラバスがあるので、シラバスを使って勉強すると良い。
  6. この資格自体は日本の資格なのだが、認定団体である日本ソフトウェアテスト資格認定委員会(JSTQB)は国際ソフトウェアテスト資格認定委員会(ISTQB)に加盟しているため、世界で通用する資格となっている。
    • ちなみにISTQBの本部はベルギーにある。
    • なお専門家レベルのExpert Levelは今のところJSTQBでは実施していないため、ISTQBの試験を受験するしか無い。
  7. 更新制度は無く、一度取得した資格は生涯有効である。

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